大相撲の横綱審議委員会(横審)の定例会合が27日、東京・両国国技館で行われ、夏場所で場内説明において混乱を招いた審判部に苦言を呈した。現任委員9人全員が参加。約30分の会合で複数の議題が挙がった。

特に11日目の朝乃山と佐田の海の取組に代表される、つじつまの合わない物言い説明には矢野弘典委員長(78=産業雇用安定センター会長)も「大事な場面でいくつかあった。もっと(説明を)分かりやすくしてはどうか。審判は絶対なので権威を確立させるためにも、指導をしっかりしてほしい」と、協会側へ意見を伝えた。

新元号「令和」として初めて迎えた場所は、横綱白鵬、新大関貴景勝の休場などもあり、58年ぶりに三役経験のない力士が優勝する波乱が起きた。

右膝の負傷を抱えながら再出場、再休場を選択した貴景勝について高村正彦委員(77=政治家)は「徹底的に休んでほしい。来場所で大関から落ちても、次の場所で(10勝すれば)戻れるんだから。稀勢の里の二の舞が(心配だ)ね」と、角界を背負っていく22歳に休養を求めた。

矢野委員長も「体調の自己管理ということですかね。けがは相撲に付きもの。問題はその後で、再起して頑張ってほしい」と話した。

横綱鶴竜、豪栄道、高安の両大関ら、上位陣が優勝争いから離脱する展開。矢野委員長は「物足りない。若手の厚い厚い壁になると期待していた」と続けた。

一方で優勝した朝乃山を筆頭に、平幕から伸び盛りの力士が活躍。阿炎、竜電、正代、明生の名を挙げて「貴景勝、御嶽海が一歩先行しているが、将来有望な力士が伸びてほしい」と、奮起を期待した。