場所前に付け人の序二段力士に暴力を振るった十両貴ノ富士の双子の弟、東前頭17枚目貴源治(ともに22=千賀ノ浦)が、長いトンネルから抜け出せない。

関脇経験者の西前頭16枚目栃煌山(32=春日野)との押し合いに敗れて、初日から3連敗。先場所から泥沼の13連敗となった。

「全部ダメです。何も言うことはない」と、支度部屋ではタオルで大粒の汗をぬぐい、早々と会場を後にした。「(相手の取り口は)分かっているけど、自分が全体的に中途半端になっている」。この日も協会のコンプライアンス委員会が部屋の力士らに聞き取りを実施するなど、暴行問題が収束しない今場所。初日は「集中できている」と強調していたが、この日会場を引き揚げる際は「スランプというか、抜け出せていない感じです」と声のトーンを落とした。