16日に膵臓(すいぞう)がんにより58歳で亡くなった、大相撲の元関脇逆鉾で井筒親方(本名・福薗好昭)の通夜が24日、東京・墨田区の井筒部屋で営まれた。

参列した弟子の横綱鶴竜は師匠の死後、初めて公の場で取材に対応し「突然だった。まだそこ(部屋)にいるんじゃないかと、信じられない気持ち。最後にちょっと話をしたかった」と胸の内を明かした。

最後に対面して会話したのは、優勝した名古屋場所の千秋楽。夏巡業の出発前にも電話でやり取りをしたという。「そこから会話できなかったのが悔い」と肩を落としたが「今思えばいい親孝行をした」と、最後に6度目の賜杯を抱く姿を見せ、静かに胸を張った。祭壇に飾られた遺影は勝負審判を務めている紋付き姿。鶴竜は「本当にいい写真ですね」と神妙な面持ちで話した。師匠の死去により、今後の所属先にも注目が集まるが「(今後は)正直今は分からない」と明言しなかった。通夜には鶴竜のほか時津風一門の親方衆、関取衆に加えて一門外から八角理事長(元横綱北勝海)や尾車理事(元大関琴風)、弟の錣山親方(元関脇寺尾)、横綱白鵬ら約600人が参列した。