大相撲秋巡業が5日、石川・七尾市で始まり、七尾市出身の前頭輝(25=高田川)が地元の観客を盛り上げた。幕内力士による申し合い稽古では、しこ名をアナウンスされると大歓声を浴び「予想以上に声援が大きくて頑張ろうと思えた」と発奮。平幕の碧山、松鳳山らと計11番取って7勝と存在感を放った。

3日後の10月8日が第54代横綱の輪島大士さん(本名・輪島博)の一周忌。遠縁に当たる輝は「僕も名前(大士)をいただいたので、その名前に恥じないように頑張りたい」と、責任感を口にした。

大器として期待されながら、ここ数場所は幕内下位を抜け出せていないだけに「足踏みをしている。もっと地力をつけないといけない」と静かに闘志を燃やした。押し相撲が武器だが、最近は「土俵際で攻めるときの安定性をつけたい」と、差して寄る相撲にも取り組んでいる。最高位は前頭4枚目。「早く上位に戻っていろんな人と対戦したい」と話した。