大相撲の関脇御嶽海(26=出羽海)が、精力的な稽古で大関とりへの意欲を示した。

17日・愛知・常滑市で行われた秋巡業に参加。平幕の北勝富士、朝乃山との申し合いで3番、栃ノ心との三番稽古で3番と計6番取った。白星こそ挙げられなかったが、連日土俵に上がり「負けても『もういっちょ』となっている。意欲をちょっとずつ出していかないといけない」と、大関昇進へカギになる九州場所(11月10日初日、福岡国際センター)に向けて気合をみなぎらせた。

前日16日から大関貴景勝が巡業に途中合流。申し合いでは北勝富士、朝乃山ら同年代と火花を散らし「活気がある稽古場になっている」と刺激を受けている。約3年間守っている三役の地位。上の番付を目指す中、朝乃山ら下からの突き上げに「不安しかない。落ちたくないし抜かれたくない」と心境を吐露した。「(自身と北勝富士、朝乃山の)3人で上にいきたいと話しているし、上を目指さないといけない。そのためには勝たないといけない」。若手力士を引っ張るリーダー的存在は、責任感を口にした。

先日の台風19号の影響により、出身地の長野が河川氾濫などの被害を受けた。地元の木曽郡上松町は無事だが、長野市は甚大な浸水被害に遭い「知り合いの会社も浸水したらしくて。長野市は高校時代にも合宿で来たことがある場所。普段も応援してもらっている」と、思い入れのある場所だけにショックを隠せない。「ちょっとでも手助けになることがあれば。九州場所が終わってからになるかもしれないけど、後援者と協力して炊き出しとかができれば」。巡業などで時間が取れないだけに、まずは土俵上での活躍を示したい。「まずは勝つこと」。地元のためにも、九州場所では最高の結果を残すつもりだ。