大相撲九州場所(11月10日初日、福岡国際センター)で、2場所ぶり7度目の優勝を狙う横綱鶴竜(34=陸奥)が6日、福岡・志免町の時津風部屋で出稽古した。

西前頭9枚目の豊山(26=時津風)と連続して相撲を取る三番稽古は、本場所と同じ15番。四つに組み止めての万全の寄り、タイミングを見計らっての投げ、後方に余裕のある引き技など、全く寄せ付けなかった。“15戦全勝”に「体が重かったから立ち合いの感覚だけ注意しながらやった」と涼しい顔だった。

2場所連続優勝を目指した9月の秋場所は、左膝内側側副靱帯(じんたい)損傷の疑いで8日目から休場。その状態は「完璧ではないけど」と前置きしながら「巡業も毎日、休まず必ず体を動かしてきたから」と支障はないことを口にした。

師匠だった井筒親方(元関脇逆鉾)の死去により、今場所が陸奥部屋所属となって迎える初の本場所。秋巡業で「モンゴル出身、陸奥部屋」という力士紹介のアナウンスを何度も耳にしており「これが場所直前だったら(違和感が)あるけど十分な時間もあったし、今は全く気にならない」という。スタミナ面は、秋巡業から休まず体を動かし続けてきたことで不安はない。あとは、たまった疲労をうまく抜いて初日を迎えるだけだ。