大相撲の新三役、小結の朝乃山(25=高砂)が、初めて経験する初日の結びの一番で、番狂わせに色気を見せた。8日、九州場所(10日初日、福岡国際センター)の取組編成会議が行われ、朝乃山は初日に横綱鶴竜、2日目に大関貴景勝と対戦することが決まった。

福岡市内の部屋で場所前の稽古を打ち上げた後、初日の鶴竜戦について「本音を言えば勝ちたい」と語った。先場所は2度目の対戦で、金星となる初白星を挙げており「あのイメージ。体を生かして前に出る相撲を取りたい」と、2場所連続横綱撃破で、世代交代を印象づけるつもりだ。

もちろん初日に結びの一番という初めての経験は「緊張すると思う」と、冷静に取ることはできないのは覚悟の上だ。それでも「この番付だと、当たる相手は変わらない。これまでやってきたことを出すだけ」と、積み重ねてきた稽古には自信がある。鶴竜とは今場所前に、時津風部屋で胸を合わせた。「たぶん7、8番取って1度も勝てなかった。いつも以上に踏み込みが低かった」という。だからこそ「当たって前に出る自分の相撲を取るだけ」と、正攻法の真っ向勝負への決意を固くした。

2日目も貴景勝との注目の一番となる。「ここを2連勝するか1勝1敗か、それとも2連敗か。緊張感があるし、15日間、毎日緊張すると思う。でも、その緊張感の中で取ることで、今後の相撲人生につながると思う」。新三役の場所で、主役に躍り出るつもりだ。