現役最年長関取で西十両8枚目の豊ノ島(36=時津風)が、2度目の“親子2代対決”に敗れ、今場所初黒星を喫した。

元関脇琴ノ若の佐渡ケ嶽親方(51)の息子で、西十両7枚目の琴ノ若(21=佐渡ケ嶽)と対戦。得意のもろ差し狙いだったが、相手も豊ノ島の左を嫌うかのように、右を固めて応戦。左手を伸ばし距離を取る琴ノ若の右からの強烈な突きで、のけ反らされた。これで体を起こされ、その体勢で出ようとしたところで足が流れ、最後はお株を奪われるように肩透かしでバッタリと倒された。

右からの突きで仕掛ける相手に「あのタイミングで中に入ろうと思った所で足が流れてしまった」と振り返った。ただ懸念される右足のケガには「勝手に頭が気にしているだけで全然、問題ない。(最後も)勝手に崩れたという感じ。相撲を取っている間は影響ない」と、足が出なかったわけではないことを強調。3日目以降も問題なしを再確認できたのは収穫だろう。

今から約14年前の05年秋場所。十両時代の豊ノ島は幕内の琴ノ若(現佐渡ケ嶽親方)と初対戦。押し出しで破ると、翌11月の九州場所9日目には幕内初対戦。この時も寄り切りで勝ち、琴ノ若はこの場所を最後に引退した。その博多に当時、小学生だった2代目琴ノ若の鎌谷将且少年も訪れ、13日目の父最後の相撲を目に焼き付けた。

当時、小学生だったその琴ノ若とは、約13年の時を経て幕下時代の昨年春場所で初対戦。この時も押し出しで勝っており「鎌谷親子」には3戦全勝中だったが、初めて土をつけられた。それも長く、第一線で土俵を務めている証し。「(昨年春場所で)幕下の三十何枚目かで対戦して、お互いに上を目指す中で、番付を上げて十両で対戦できた。今度はまた幕内で対戦できるように、自分もまだ老け込まないで頑張りたいね」と、自分にムチを入れるように奮い立たせていた。