<大相撲九州場所>◇9日目◇18日◇福岡国際センター

大関経験者で、番付を序二段まで落として以降、4場所連続勝ち越しで順調に関取復帰の道を歩む西幕下10枚目の照ノ富士(27=伊勢ケ浜)が、全勝対決で同28枚目の将豊竜(23=時津風)を下し、無傷の5連勝をマークした。残る2番に勝てば、10場所ぶりの関取復帰が確実視される状況となった。

相手の上突っ張りを、腰をドッシリ構え下からあてがいながら対応。左からおっつけて相手の体勢を崩すと、ここが勝機とばかりに組み止めた。左を抱えながら前に出て右が深く入ると、かいなを返しながら棒立ちの相手をねじ伏せるように、すくい投げで倒した。

関取復帰が現実味を帯びようとも、取り口同様に、はやる気持ちはない。自ら「落ち着いていた。冷静にやろうと思っていた」と言い、つかまえれば問題ないか? の問いにも「腰をドッシリ構えていれば」と冷静沈着だ。4番相撲を終え4連勝は7人いた。この日、その7人が5番相撲を取り、星のつぶし合いもあり全勝は4人に絞られた。自分の1番前で、弟弟子で東幕下12枚目の翠富士(23)が逆転の投げで全勝をキープした相撲も刺激になった。「自分も頑張ろうと思った。入った時から(翠富士が)頑張っているのを見ているから」。ともに幕下15枚目以内のため、7戦全勝なら十両昇進の権利を得られる。同部屋のため本割対決はなく、その可能性も残され「そうなれば、ありがたい」と話す。

だが、すぐに打ち消すように「とりあえず、まずは1番1番。勝ってからの話なんで。あさって(11日目の6番相撲)の相撲に集中してやるだけです」。先のことは考えず、目の前のことだけに集中する。それが復帰への近道と信じている。ただ、そうは言っても、残る2番の相手は幕下45枚目以下で。周囲の期待は、いやが上にも高まるばかりだ。