大相撲冬巡業が1日、福岡・直方市で始まり、九州場所を全休した横綱鶴竜(34=陸奥)が参加した。

朝稽古で腰椎すべり症を再発した九州場所初日の先月10日から約3週間。この日の朝稽古では土俵下で腕立て伏せなどの基礎運動をこなし、本割にも入って相撲も取った。「(腰は)もう大丈夫」とこの日は元気な表情を見せたが、再発させた当時を振り返ると「何も予兆がなくて、まさかの初日で『ウソだろ…』と。申し訳ない気持ちだった」と、出場できなかった悔しさをにじませた。

再発防止のために「体重制限」を視野に入れている。「体重を考える。最近は160近くだったけど(これからは)いっても156か57くらいに」と具体的な数字も語った。場所前に腰痛に悩まされた7月の名古屋場所は体重155キロ前後で臨み、6度目の優勝を果たした。「腹筋や背筋、筋力は問題ない。今思うと、(名古屋場所前から)続けてそうなるってことは(腰痛の原因は)体重なのかな」と、自己分析した。

初場所(来年1月12日初日、東京・両国国技館)では、九州場所の悔しさを「晴らしたい」と強い気持ちで臨む。この冬巡業では慎重な調整を続ける方針。一方で「(十両)霧馬山を鍛えないとな」と、来場所での新入幕の可能性がある弟弟子の指導に熱が入りそうだ。