近大4年の谷岡倖志郎(たにおか・こうしろう、22歳、近大付高出身)が今年のアマ横綱に就いた。

決勝トーナメント2回戦で、今年11月の学生選手権決勝で敗れた日体大1年の中村泰輝(19)を上手出し投げで破り、波に乗った。180センチ、125キロの細身ながら筋肉質の体で、元横綱千代の富士を理想とする谷岡は、その後も重量選手を相手に押し倒し、上手投げ、下手出し投げと、まわしを強烈に引いて繰り出す技で決勝に進出。決勝では191センチ、165キロのイェルシン(日大)の突進をかいくぐり、いなし、引いて体勢を崩すと右を深く差し、左上手を引いての上手投げで仕留めた。

元大関朝潮(現高砂親方)らを輩出した近大からは三好正人以来、18年ぶりにアマ横綱の座に就いた。決勝トーナメント初戦が大きなヤマ場だったようで「最後にギリギリでまわしが取れて、あれが命綱だった」と話し、決勝までの相撲も「まわしを取れたのが勝因」と振り返った。

角界では今、近大OBの小結朝乃山(高砂)が、次の大関候補として期待される。今年は幕内優勝も遂げた先輩の名を挙げ「朝乃山関が活躍されている姿を見て、相撲部全体のいい刺激になっています」と喜んだ。

全日本のタイトルを取ったことで、大相撲の幕下付け出しの資格を取得した。だがプロ入りは目指さない。「プロに行くことも考えたけど、今は全くありません。これから相撲を知ってくれる子どもたちを指導したいという思いが強いので」と卒業後は教員の道を目指す。もちろん来年も今大会の連覇を目指し勉学にも、稽古にも励むつもりだ。