「現役関取最年長」の肩書をひとたび、下ろすときがきた。奮闘の土俵が続く東十両11枚目豊ノ島(36=時津風)の、幕下陥落が決定的となった。

既に番付下に3枚残す状況で4勝10敗。陥落は濃厚だったが、幕下からの十両昇進力士との兼ね合いで、いちるの望みはあった。豊ノ島本人も、そのつもりで土俵に上がった相手は、同3枚目の大翔丸(28=追手風)。だが、気持ちとは裏腹に、立ち合いで踏み込むと一気に出られ、最後は観念したように土俵を割った。

4勝11敗で7つの負け越しと、陥落は決定的。幕下に落ちても相撲を取るか、現役を引退するか-。気になる去就について豊ノ島は「場所が終わったから、しっかり考えたい。どうなるか分からない」と明言を避けた。それでも「今日が最後になるかもしれないと思って、最後ぐらい勝ちたいと思っていたけど…。悔いの残るような相撲を取るつもりはなくて、もっと自分らしい相撲を取りたかったけど…。踏み込んでいったけど、それがあんな車道(電車道)の相撲になってね…」と、揺れ動く胸中を吐露した。

さらに「自分の中では、やりきった気持ちはあるけど…」「6歳から相撲を始めて30年。相撲界に入って18年。十分じゃないかなという気持ちもある」「嫁や子供は、やめてほしくないと思っている」「ここからもう1回、(気持ちを立て直して)持っていけたら強い人間だと思うけど…」と現状では、区切りを付ける方向で傾いていることも、におわせた。

ただ、やっとこの日、場所の最後の相撲を取り終えたばかり。早急な決断は避けるべきとの判断から「1回、落ち着いてみないと分からない。今は(場所を)終えてホッとした気持ち。しっかり考えます」と再度、熟考して結論を出すつもりだ。