日本相撲協会は30日、東京・両国国技館で理事会を開き、元小結高見盛の振分親方の年寄「東関」の継承と襲名、東関部屋の継承を承認した。両国国技館で行われた師匠会に参加した東関親方は「今も正直、いろいろと落ち着かなくてドキドキしている。できることを精いっぱいやりたい」と心境を明かした。

元前頭潮丸の先代師匠は、昨年12月13日に血管肉腫のために41歳で死去。師匠不在となり、同じ高砂一門の「八角部屋預かり」となっていた。他の部屋への移籍や、一門内からの新師匠の抜てきも浮上。しかし周囲のサポートもあり、育った部屋の存続を優先した。東京・柴又に部屋を新設してから約2年しかたってないこともあり、部屋関係者が存続の道を探っていた中で、春場所前に一段落する形となった。

師匠としての心構えを聞かれた東関親方は「まずは力士たち。親方として相撲を教えるだけではなくて、仮に相撲がダメになっても、第2の人生を考えてあげたい」と責任感を口にした。慎重な性格もあって、報道陣の前でしどろもどろになることも多かったが「先代のいいところを取り入れて、力士の気持ちを考えてやりたい」と堂々と話した。

◆東関大五郎(あずまぜき・だいごろう)本名加藤精彦。現役当時のしこ名は高見盛。1976年(昭51)5月12日、青森・板柳町生まれ。99年春場所で幕下付け出しデビュー。00年名古屋場所で新入幕。取組前に自らの顔や胸を激しくたたくしぐさから、愛称は「ロボコップ」。13年初場所で現役を引退し同年10月に年寄「振分」を襲名。20年1月に年寄「東関」を継承・襲名。