東前頭4枚目炎鵬(25=宮城野)が、無観客開催の雰囲気に戸惑いを隠さなかった。

「いつもと違う雰囲気で闘争心、アドレナリンが出なかった。何のために戦うのか、今日は見つけられなかった」。この日は初顔合わせの西前頭3枚目御嶽海になすすべなく押し出され、黒星発進。169センチと小兵ながら多彩な技で土俵を沸かせる人気者は、幕内で最も声援を浴びる力士の1人だけに、違和感をぬぐうのは容易ではない。「当たり前のように感じていたけど、どれだけお客さんから力をいただいているのか分かった」。

白鵬の横綱土俵入りでは太刀持ちを務めるが、兄弟子が四股を踏んでも「よいしょ」の声が飛ばない。炎鵬は「少しでもこの雰囲気に慣れていかないと。自分自身を奮い立たせないといけない」と意気込んだ。