十両翔猿と前頭石浦が、土俵下に落ちてから10メートル前後、客席を駆け抜ける無観客ならではの場面があった。

翔猿は照ノ富士に送り出された勢いで、升席の1列目を飛び越え、10メートル余り先の2列目の手すりに両手をついて止まった。石浦は佐田の海を押し出した低い姿勢のまま土俵下へ飛び出し、スピードを落としながら約8メートル先の升席手前に到達した。翔猿は「無理に止まったら足首や膝をケガするから」と、体に負荷をかけないためだと説明した。