新型コロナウイルス感染の拡大防止のため、無観客開催となっている大相撲春場所9日目の16日、発熱で休場している西前頭15枚目の千代丸(28=九重)が、感染を調べるPCR検査を受けることが決まった。

日本相撲協会の鏡山危機管理部長(元関脇多賀竜)は、8日目の15日朝に39度7分の熱で休場した千代丸が、この日朝には40度の熱を出したと説明。大阪市内の病院では蜂窩(ほうか)織炎の疑いが強いとの診断を受けたが、師匠の九重親方(元大関千代大海)から「2日熱が続いているのでPCR検査を受ける」との報告があったことを明かした。この日にも同検査を受け、早ければ17日に同親方から検査結果などについての報告を受ける予定となっている。

千代丸は14日夜にも38度6分を計測するなど3日連続で発熱が続いているが、胸部のエックス線検査では異常はなかった。現在は大阪市内にある宿舎の個室で隔離され、トイレに行く時以外は部屋から出ない状態だという。部屋の他の力士には発熱などの症状はなく、実弟の千代鳳は「昨日は電話したけど出なかったけど、(今朝は)『熱が下がらない』と言っていた」と電話による会話内容を明かした。

発熱による休場力士は千代丸を含めてここまで3人いるが、PCR検査を受けるのは初。相撲協会は力士ら協会員に感染者が出た場合、即座に春場所を中止する方針だが、打ち切りになった際の成績の扱いについては未定としている。