日刊スポーツが行った人気力士アンケート「第9回大相撲総選挙」は、大関貴景勝(23=千賀ノ浦)が初の1位に輝いた。総数5万635票のうち、3659票を獲得。前回の2位から躍進した。ファンからは土俵態度が支持され、横綱昇進への期待も票に表れた。

貴景勝がトップに立った。大相撲総選挙は幕内力士を対象としているため、貴景勝は新入幕を果たした3年前からランキング入り。以来、26位、10位、2位と順位を上げ、今回は1位。大相撲の番付と同様、一気に駆け上がった。

ファンから支持されたのは、強いメンタルだ。昨年は右膝や左大胸筋のケガに苦しんだが、弱音を吐くことは一切なかった。

「痛くても『痛い』と絶対に言わない。弱さを見せない姿はまさに武士そのもの」(30代女性)

「大関昇進を決めた一番、感情を出さないように出さないようにと、堪えていた涙が忘れられません。それを見て、努力されたんだなと、胸がキュッとなりました」(20代女性)「往年のお相撲さんのような精神性が好きなので1票」(30代女性)

「勝っても負けても表情を変えないところ。絶対に相手力士の悪口を言わないところ。元貴乃花親方の弟子だから」(10代以下男性)

力士であることをわきまえ、実直に相撲に向き合う。この姿勢は、多くのファンが共感する。身長175センチと体格に恵まれているわけではないが、横綱昇進へ向け、ともに夢を見る人も少なくない。

「素顔はおちゃめでイジり甲斐のある好青年。反面、『波瀾万丈』の相撲人生を過ごし、わたくしの人生の半分も生きてないのに考え方ははるかに年配。突き押しの横綱にたどり着くまで今後も続くであろう険しい道のり。貴景勝関の成功はファンの悲願です」(50代女性)

貴景勝の魅力は、好角家に伝わっている。だからこその、第9回大相撲総選挙優勝だ。

◆投票方法 投票対象は夏場所番付の幕内力士。5月27日午後9時から6月6日まで日刊スポーツのウェブサイトで投票を受け付けた。ウェブは端末1つにつき1日1回、1回3人まで投票可能とした。前回までははがきでの投票も受け付けていたが、今回はなし。