大相撲の東前頭5枚目の阿炎(26=錣山)が29日、報道陣の電話取材に応じ、24日に3歳下の一般女性と結婚したことを発表した。知人の紹介で知り合ったといい「出身が埼玉・越谷市で一緒だった。向こうは後輩。向こうは当時から知っていたみたいだけど僕は知らなかった。小学校も一緒だった。地元で共通の知り合いも多くて話しやすかった」と3年前から交際開始。お相手が3月に専門学校を卒業したのを期に、結婚の準備を進めていったという。

婚姻届提出日の24日に関しては「何となく。2人で相談して早めにしようかって」と、深い理由はないというが「場所中に考えたりしていたら場所に影響する。場所前に籍を入れるつもりだった。すっきりした状態で場所を迎えたかった」と7月場所(19日初日、東京・両国国技館)前に結婚することを決意していた。3月に大阪で行われた春場所から帰京後に、都内の自宅でプロポーズしたといい「結構さらっとした感じでしたよ。『結婚しようか、籍を入れようか』って。相手は『うん』って。もう結構、長く付き合っているので」と当時を振り返った。

幕下優勝を果たした17年春場所頃から交際を開始したといい、同年秋場所では十両優勝。18年夏場所、名古屋場所と2場所連続金星獲得や、19年名古屋場所では新小結に昇進するなど成績が急上昇している。「そう言われればそう。験がいい。(奥さんは)相撲には口出ししてこない。仕事に口出ししない。そこは大きかった」と分析。料理も得意だといい「僕はスタ丼が好きなので、それに似た料理が一番うまい。何でも作ってくれる。スパゲティ食べたいって言ったら和風のやつがおいしかった。サラダも出してくれる。体のことも考えて出してくれるかな」と大きな支えとなっている。

すでに都内の自宅で2人での生活を開始。都内の錣山部屋と自宅を行き来している阿炎は、新型コロナの予防を徹底している。「外出先から帰ったら即シャワーを浴びる。稽古場の行き来だけで2回シャワーを浴びる」と、師匠の錣山親方(元関脇寺尾)から教わったという予防策を明かした。また腰を痛めているが、過度な通院は避けて入念なストレッチで対処するなど、外部との接触も極力減らすように努力している。

部屋の稽古は現在、2つの班に分かれて2部制で行われているという。先週からは申し合い稽古も始まり、一番取るごとに手洗い、うがいをする徹底ぶり。この日も幕下以下の若い衆相手に7番ほど相撲を取ったという。「籍を入れてすぐ負け越すのは嫌。しっかりここで土俵の上で自分を出したい。昔から言っている。初優勝を目指しているのは変わらない。ちゃんと仕上げていきたい。今は7月場所に向け、それだけを考えて意識を持っていかないといけない」と人生の伴侶を得た今、気合は十二分だ。