元力士の芸人がお手柄! 相撲芸人のめっちゃ(31)が21日午後9時ごろ、東京・武蔵小山の商店街で万引き犯を捕まえた。銭湯帰りに歩いていたところ、前方から青年が走ってきた。その後方から「待て! 捕まえろ!」との声が聞こえた。めっちゃは正面から体当たりし、左を差して寄り倒したという。男はレンタルビデオ店で万引をした疑いがあり、その後警察に引き渡した。

めっちゃは「ここで止めないと面倒なことになると思って止めました。トップスピードで来ましたが、怖いのはまったくなかった。対人はもう(力士時代に)嫌っていうほどやってきましたから。ちょっと腰が引けて、下半身が使えてへんなと、立ち合いを反省しました。腕だけで差しにいったので、踏み込んで当たらないといけません」と、まるで取組後のように振り返った。レンタルビデオ店の店員や警察からは感謝されたという。

めっちゃと一緒に歩いていた相撲芸人のキンボシ西田淳裕は「めっちゃさんは1ミリもびびることなく向かっていきました。本物だと思いました。ドラマでよく見るシーンが自分に降りかかるとは思ってもいませんでした。僕は怖すぎて、何もできませんでした」と振り返った。

めっちゃは安治川部屋(現在の伊勢ケ浜部屋)に入門し、2004年(平成16年)春場所初土俵。安大ノ浪(あおのなみ)のしこ名で、最高位は東序二段94枚目。現在は相撲芸人として、安美錦の寝起きなど相撲あるある物まねを得意とし、ツイッター@MECCHAHOSODAでもネタを披露している。

めっちゃの兄弟子にあたる安治川親方(元関脇安美錦)は「迷わず当たっていけたのは、稽古をした経験があったからだと思います。そのような状況で向かっていくのは危険も伴うのでやめた方がいいと思いますが、一緒に稽古をした仲間として誇りに思います。現在開催中の7月場所においても、とても勇気をいただきました。ありがとう」とコメントした。