大相撲の幕内力士、阿炎(26=錣山)が日本相撲協会に引退届を提出していたことが4日、分かった。

阿炎は不要不急の外出自粛を求められている中、7月場所中にキャバクラに出入りしていたことが発覚。師匠の錣山親方(元関脇寺尾)の判断で、7日目から休場していた。日本相撲協会は6日の理事会で処分などについて検討するため、阿炎の引退届は現時点で受理されていない。

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阿炎が師匠の錣山親方を通じて、4日までに引退届を提出していた。日本相撲協会は受理していないため、引退が決まったわけではない。6日に理事会が開かれ、処分が決まる見通し。受理されるか否かについても、議論の対象になる可能性がある。

幕内力士として責任を痛感したからこその判断に至ったとみられる。阿炎は7月場所7日目(7月25日)から突然休場した。同日、NHK大相撲中継の解説を務めた師匠の錣山親方が「数人のお客様と会食に行ったため、大事を取り休場することになった」と説明。「自業自得というか、本人がコロナにかかるのは自分の責任。協会員が一丸となり、お客さんを入れて開催するのに最低のこと」と厳しく指摘していた。

その翌日、芝田山広報部長(元横綱大乃国)は会食場所について「小池都知事が言う夜の店」とし、回数についても「場所前と場所中と2回」と明かした。阿炎とは別の部屋に所属する幕下以下の力士も同席していた。関係者によると、「夜の店」は、キャバクラであることも判明していた。

日本相撲協会は観客を入れて7月場所を開催するにあたり、独自のガイドラインを作成。「基本的に外出自粛とし、不要不急の外出をしない」などルールを定めて、全協会員に周知していた。新型コロナウイルスの感染防止に向け、一丸となっていただけに、芝田山広報部長は「情状酌量の余地もない」と断言するなど、協会内には怒りの声が上がっていた。

阿炎とキャバクラに同行していた幕下以下の力士はすでに協会に進退伺を提出している。協会の力士ら協会員への処分は軽い順にけん責、報酬減額、出場停止、業務停止、降格、引退勧告、解雇の7項目。阿炎は師匠と話し合った末の引退届提出とみられ、処分内容にかかわらず角界を去る可能性が高いという。

 

◆阿炎政虎(あび・まさとら)本名は堀切洸助。1994年(平6)5月4日、埼玉・越谷市生まれ。小4から3年連続でわんぱく相撲全国大会出場。大相模中3年時に全国中学3位。千葉・流山南高3年時に高校総体16強。卒業後の13年夏場所に錣山部屋から初土俵。15年春場所に新十両、18年初場所で新入幕。19年名古屋場所で新小結に昇進。金星2個、敢闘賞2回。188センチ、150キロ。得意は突き・押し。

 

◆阿炎の不適切行動と発言 昨年11月に十両若元春の手足をテープで縛った動画を自身のインスタグラムに投稿。“悪ふざけ”動画はSNSで拡散され、ネット上で「暴力を連想させる」など批判を浴びた。協会から口頭で厳重注意を受け、反省文を提出。さらに今年2月の全協会員を対象とした研修会終了後、会場を引き揚げる際に報道陣の取材に対して「爆睡していた」「寝ていたので何も聞いていない」と発言。翌日に師匠と協会を訪れて謝罪し、鏡山コンプライアンス部長から厳重注意を受けた。

 

◆新型コロナウイルスに対する角界のこれまでの主な動き

▼4月3日 日本相撲協会が臨時理事会を開き、夏場所と名古屋場所の2週間延期を決議。

▼同7日 政府が緊急事態宣言発令。

▼同10日 角界では初となる、三段目力士の勝武士さんの新型コロナウイルス感染が判明。

▼同25日 高田川親方(元関脇安芸乃島)、十両白鷹山ら6人の新型コロナ感染を発表。

▼同30日 高田川親方、白鷹山ら6人の退院を公表。

▼5月4日 政府が緊急事態宣言を延長。夏場所の中止が決定。

▼同13日 勝武士さんが新型コロナ感染による多臓器不全で28歳の若さで死去。

▼同25日 政府が緊急事態宣言を全面解除。

▼7月6日 希望者に行った抗体検査の結果、5人から抗体が見つかったと発表。芝田山広報部長はウイルス陽性者なしの見解。

▼同13日 相撲協会は臨時理事会を開き、7月場所の開催を正式決定。1日あたりの観客数の上限を約2500人に設定。

▼同25日 阿炎が7月場所7日目から突然休場。錣山親方は「数人のお客様と会食に行ったため。大事を取り休場することになった」と説明。

▼同27日 田子ノ浦親方が夜に外出して泥酔し、鏡山危機管理部長から厳重注意を受ける。