大相撲の元横綱大鵬の孫で新十両の王鵬(20=大嶽)が4日、祖父大鵬の故郷である北海道弟子屈町内の「大鵬相撲記念館」を訪問し、決意を新たにした。

同町への訪問は昨年6月以来で、新十両になってからは初めて。記念館では昭和の大横綱と呼ばれる大鵬のゆかりの品を見て回った。来町する度に何度も訪れている場所とはいえ「記念館を作ってもらえるのはすごいなと思う。昔のものとかを見て良いなと思った」と感慨深げに話した。

王鵬は祖父譲りの191センチ、175キロの恵まれた体格で、11月場所は西幕下筆頭で十両を2人破って6勝1敗。11月25日に行われた番付編成会議で来場所の新十両昇進を決めている。東京出身ではあるが、この日の訪問では祖父の地元で多くの祝福を受け「古里という感じがする」と喜びを語った。関取として臨む来年1月の初場所(来年1月10日初日、両国国技館)に向け「15日間相撲を取る経験はどんなものかわからないけど、元気な相撲で勝ち星を増やしていきたい」と力を込めた。

同施設は「弟子屈町川湯相撲記念館」として開館。優勝32回(うち全勝優勝8回)など大鵬の現役時代の活躍を顕彰して銅像、優勝額、優勝賜杯などが展示されており、13年1月に72歳で大鵬が亡くなった後に、故人の名前を冠した施設名に変更された。

王鵬はこの日午後6時から同町で行われる「王鵬十両昇進祝賀会」に出席する予定。

◆王鵬幸之介(おうほう・こうのすけ)本名・納谷幸之介。2000年(平12)2月14日、東京都江東区生まれ。埼玉栄高では17年愛媛国体少年で、団体と個人の2冠。高校卒業を待たずに18年初場所で初土俵。19年夏場所から今年の11月場所まで大関貴景勝の付け人を務めた。21年初場所新十両。父は幕尻優勝を果たした元関脇貴闘力、長男幸男はプロレスラーで、次男の三段目鵬山、四男の幕下夢道鵬は同じ大嶽部屋所属。191センチ、175キロ。得意は突き、押し。