35歳の西前頭16枚目・明瀬山(35)が勝ち越しを決めた。豊山に攻め込まれたが、「たまたまですよ、流れで」という突き落としが鮮やかに決まった。

初日から6連勝も、その後に5連敗からの2連勝。勝ち越した瞬間を「やったぜぇぇぇって感じですね。うれしすぎてちょっと一瞬、ウルッときました。長かったですからね」。力水をつける際、タオルで潤んだ目をぬぐった。

新入幕だった16年春場所以来の再入幕。その5年前は「フルボッコだった」と4勝11敗、幕内の壁にはね返された。その後は十両と幕下で苦労を重ねてきただけに、あふれてくる感情を抑えられなかった。

取組後は洗髪してさっぱり。「まだ場所は終わっていないけど、ゆっくり寝たいですね」と柔和な笑顔を浮かべた。