第73代横綱照ノ富士(29=伊勢ケ浜)が誕生した。日本相撲協会は21日、東京都内で大相撲秋場所(9月12日初日、東京・両国国技館)の番付編成会議と臨時理事会を開き、大関照ノ富士の横綱昇進を決めた。モンゴル出身力士では、5人目の横綱昇進となる。

照ノ富士は大関に復帰した夏場所、12勝3敗で優勝決定戦を制して優勝した。続く名古屋場所も初日から14連勝。全勝をかけた千秋楽、横綱白鵬との相星決戦こそ敗れたが、十分の力量を示した。

両膝のけが、内臓疾患などで大関を陥落し、序二段まで落ちながら最高位へ上り詰めたのは、もちろん史上初。東京都江東区の部屋に高島理事(元関脇高望山)と浅香山審判員(元大関魁皇)を使者に迎え、「謹んでお受けいたします。不動心を心がけ、横綱の品格、力量の向上に努めます」と口上を述べた後に記者会見に臨んだ。以下、一問一答。

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-今の心境

照ノ富士(以下照) ホッとしてます。(緊張は?)いや、特にそういうことはなかった。

-口上に「不動心」

照 いろんなことありましたけど、何事にもぶれない精神をもってこれからも頑張っていきたい思いで。横綱という地位は、協会の看板背負って立てる地位だから。親方、おかみさんと相談していれました。(自己採点は)自分の中では満点と思います。

-評価されたのは

照 どうこうより、頑張ってきてよかったとしか思えない。

-けが、病気で苦しんだ

照 もちろん、目指しているのは一番上の地位。入門したときから変わらない。やるなら徹底的にやる。(結果に結びついたのは)一番はまわりの環境、支えがあったから。やっとここまでこられたかなと思います。

-横綱とは

照 今まで通りには絶対ダメですから。みんなの見本、基本になる横綱でいたいと思っています。

-師匠としては

伊勢ケ浜親方 よくここまできたんだなという思い。そこは無心ですよ。考えて決めたことだし。(口上は)よく言ったんじゃないですか。できることを最大限やるしかない。ぶれることなくやってきた。横綱の品格、力量認められて上がってきた。横綱とはこういうものと認識してやってほしい。

-道のり振り返り

伊勢ケ浜親方 本人の頑張りしかない。よく頑張ったんじゃないですか。できることは限られている。それを最大限やる。その積み重ねだと思う。

-土俵入りは

伊勢ケ浜 (指導)します。(不知火型)2人目の横綱だしね。これ以上、言うことはない。これからもしっかり気持ちを持って、やれることを最大限やって横綱としてやってほしい。

-師匠の思いを聞いて

照 本当にいろんな事がありまして、やっとつかんだというか、それまでの道のり、親方がいないと考えられないことですから。(師匠の存在)一番の支えになりました。

-家族には

照 みんな、よく頑張ってくれたと言ってくれてます。(鳥取には)相撲ということを分からないままきて、四股の踏み方から教えてもらいました。その中でやっとここまでこれたかなと思います。

-土俵入りは

照 まだ感情が入っていないというか。

-これからの覚悟

照 常に親方から指導されていること、自分の考えていること、1日の必死さ、相撲に取り組む姿勢をこれからも磨いて、もっともっと強くなりたい。

-新横綱場所の楽しみ

照 日頃言っているようにその日の一番に全力を尽くしたい。これからも変わらず、1日のできることを精いっぱいやって、横綱の地位はどういう地位か理解して、みんなの見本になるような横綱でいたいと思います。

-一息つけるか

照 一息つくとたるんでしまうというか、常に毎日、毎日頑張っていきたい。自分の足りない部分たくさんあります。磨いていきたいと思います。生き方で証明したいと思います。

-横綱の目標は

照 その日の一番にすべてかけて頑張っていきたいと思います。

-横綱の理想像は

照 人のまねするのではなく、自分がどういう人か。横綱はどういう地位か親方に教わって、精進していきたいと思います。