大相撲の西岩親方(元関脇若の里)が6日、部屋からほど近い蔵前地区で、弟子の優勝パレードを実施する夢を語った。東京・台東区の蔵前警察署で行われた「一日署長」委嘱式に出席。18年2月に浅草寺から約500メートルの同区内に部屋を興した西岩親方は「部屋ができて間もないので、番付下位の力士しかいませんが、いずれは優勝力士が出て、蔵前警察署にお世話になりながらパレードができたらと思っています」と笑顔で誓った。

委嘱式後には蔵前警察署から1キロほどの場所で、特殊詐欺被害防止活動を行った。現役だった04年9月に千葉・松戸東警察署で、12年7月に愛知・長久手市で愛知警察署の一日署長を務めたことはあるが、親方になってからは初めてだという。

約30分間、通行人に被害防止を呼びかけ「蔵前は蔵前国技館があったように、相撲と非常に縁のある場所。こういう地域で一日署長をやらせていただくこと、非常に光栄に思っています。西岩部屋一同、蔵前警察署管内から犯罪がなくなるように頑張ってまいります」と話した。

部屋を興して4年目となり、力士は三段目透輝の里、八女の里ら7人。道半ばではあるが、23年の力士人生、史上最長の19場所連続で三役に在位した経験を伝え、力士の育成に努めている。

九州場所(11月14日初日、福岡国際センター)前の11月7日で、師匠の先代鳴戸親方(元横綱隆の里)が亡くなって10年になる。西岩親方は「今があるのは師匠のおかげ。師匠の思いを引き継いで、相撲部屋の運営をしていきたいと思っています」と意気込んだ。