大相撲九州場所(11月14日初日、福岡国際センター)で新三役昇進の可能性がある霧馬山(25=陸奥)が19日、東京・両国の陸奥部屋での朝稽古後、報道陣の代表取材に応じた。

この日は四股、てっぽう、すり足など相撲の基礎運動の合間にも、ゴムチューブを使っての筋トレなどで、たっぷり汗を流してから土俵へ。若い衆にぶつかり稽古で胸を出した後、再び土俵外でトレーニング。この後、再び土俵に入り若い衆と19番取って全勝。部屋に関取衆が不在のため、若い衆相手の稽古では、入念に攻め方を変えたり、一方で相手に踏み込ませて組み止めた後に攻めるなど、工夫をこらしていた。

稽古の番数は「出来れば30~40番は取りたい」と増やしたい意向はあるが、ここまでは20番ほどになっているという。若い衆相手ながら「立ち合いの当たりを、いつも考えてやっています。いろいろな人とやって準備、練習になると思っています」と話した。

西前頭2枚目で臨んだ秋場所は、2大関を破るなど三役以上に6勝1敗。入幕10場所目で、2度目の2場所連続勝ち越しを、ともに9勝6敗でマークした。「そんなに勝てると思わなかった。やっぱり場所前に1日も休まないで毎日、稽古をちゃんとやったのが本場所(の結果)に出てきた」と霧馬山。九州場所の番付は、同4枚目で秋場所10勝5敗の大栄翔(27=追手風)との三役昇進争いになりそうだが「いつも通り、しっかり稽古をやっていきたい。(まずは)やっぱり勝ち越しを目指して」。多くを語らなかった霧馬山だが、多彩な技で土俵をかき回す期待は膨らむばかりだ。