大相撲の関脇御嶽海(28=出羽海)が、苦手の九州場所(14日初日、東京・両国国技館)での2桁白星を目標に掲げた。5日、報道陣の電話取材に対応。「今年最後(の場所)なので、10勝以上で今年終わりたいと思います」と意気込んだ。

2年ぶりの福岡開催となった九州場所に「ワクワクしています」と話す一方で「何ていうかな。不安が大きい場所でもあります」と漏らした。昨年は新型コロナ感染拡大の影響で東京開催となったが、九州場所と呼ばれる11月場所は3年連続で負け越している。「僕にとって苦手な場所。気にしないようにしているけど気になっちゃう」と弱気な一面を見せた。

苦手とする理由は気温差だという。この時期の福岡は昼間は暖かいものの、朝方や夕方以降は急に気温が下がることが多い。また、本場所期間中に気温がぐっと下がることもしばしば。現に「昨日まではすごく寒かったけど、今はめちゃくちゃ暑い。そういう温度差があるのかな。それなりに対応はしていますけど」と話した。

九州場所への不安を口にしつつ、秘めたる思いはある。今場所は、東洋大の後輩にあたる朝乃若が新十両に昇進。平幕の若隆景もここ数場所で存在感を示すなど、東洋大出身力士が目立ってきた。それでも「東洋大以外の大学が目立っている。ここで東洋大の存在をアピールできたらいいし、(下から)もっと上がってくれたらいいなと思います」と部屋頭ならぬ、“東洋大頭”としての思いを口にした。

また、9月の秋場所後に横綱白鵬(現間垣親方)が引退した。九州場所の番付表に「横綱白鵬」のしこ名が消え「11月はしこ名があるといううわさだったけど、なくて悲しいというか寂しい気持ちがあった」という。ただ、ある1つの感情も芽生えた。「大関にまずなりたいですね。(自分の番付の)上に3人しかいないからね」と大関とりへの意欲も示した。苦手の九州場所で2桁白星を挙げ、大関とりへの起点を作る。