全勝の関脇御嶽海(29=出羽海)に土が付き、優勝争いが混沌(こんとん)としてきた。1敗で横綱照ノ富士(30=伊勢ケ浜)と御嶽海が並び、2敗の阿炎(27=錣山)と宝富士(34=伊勢ケ浜)の平幕勢にもチャンスが出てきた。

初日から5連勝と先場所の勢いそのままで序盤を乗り切った阿炎は、6日目から連敗したものの、再び連勝でピタリと追走する。この日は隠岐の海(36=八角)と対戦。突いて出た右手を手繰られ土俵際に追い詰められたが、すぐに回り込みながら体勢を立て直すと、今度は逆に隠岐の海の左手を手繰り、右上手を結び目付近に取った攻勢。そのまま押し出した。

日本相撲協会の八角理事長(元横綱北勝海)は「前に出て行っている。その気持ちを今後も大事にしてほしい」と評価した。回り込まれて劣勢に立ったが「攻める気持ちを忘れたら今まで通り(再入幕する前)になってしまう。とにかく攻めること」と強調した。今場所も優勝争いに参戦していることで、上位との取組も予想される。勝ち越し星が多ければ三役近くまで番付アップも見込める。「自分の相撲を取りきること。上位(が相手)でも(その姿勢を)貫いてほしい」と期待を込めた。