大相撲の19年秋場所を最後に現役を引退した元関脇嘉風の引退、年寄中村襲名披露大相撲が5日、東京・両国国技館で行われた。

断髪式には4人組男性グループのケツメイシの大蔵ら約250人が参加。現役時代から親交のあった武隈親方(元大関豪栄道)や二所ノ関親方(元横綱稀勢の里)、押尾川親方(元関脇豪風)らがはさみを入れ、師匠の尾車親方(元大関琴風)が止めばさみを入れた。

引退から約3年がたち、ようやく迎えた断髪式。「複雑というか、やっと切れたという思いと、今日が近づくにつれて寂しい思いもあった」とさまざまな思いを抱いていた。

それでも断髪式中は涙を流すことはなく「意外に何も考えていなかった。『これで終わりか』という感じ。マゲを切った瞬間に『親方になったな』という感じがしましたね」と笑顔で振り返った。整髪は美容師の母、兄、弟に任せた。「横を刈り上げようか、とか話して。恥ずかしいですね。まだマゲがついてる感じがする」と初々しい様子だった。

今後は二所ノ関部屋の部屋付き親方として後進の指導にあたる。「自分から打ち勝っていける自発的に頑張る力士を育てたい。みなさんがワクワクする力士を育てることが恩返しだと思います」と第2の人生への意気込みを語った。