大相撲の押尾川部屋は、しこ名の最初に「風」を付けて新風を巻き起こしていく。7日付で尾車部屋から独立したばかりの押尾川親方(42=元関脇豪風)が13日、明らかにした。

押尾川親方が育った尾車部屋は、師匠が元大関琴風だったこともあり、ほとんどの力士が「○○風」を名乗った。元豪風の押尾川親方は「尾車部屋は○○風でしたが、押尾川部屋は風○○でいきます。尾車親方に相談したところ『風を使ってくれてありがとう』と言ってもらいました。あえて前に『風』を全面的に出していきます」と話した。

12日には押尾川親方の母校・中大から住木厳太(すみき・げんた)を迎え入れた。愛媛・野村高時代は国体少年の部で準優勝、大学時代は全日本選手権16強、東日本体重別選手権3位という実力者。180センチ、150キロの体格を誇り、押尾川親方は「スピードある突き押しは抜群。幕内にいける素質がある。焦らず着実に1歩1歩進んでいきたい」と期待した。将来的に、風がついたしこ名を想定しているという。

現在は旧尾車部屋の稽古場で始動しているが、春風が吹く4月半ばには東京・墨田区文花に新設している建物に移転する予定。尾車部屋の上がり座敷にあった「風」の揮毫(きごう)が入った額も持っていく。独立というかたちになるが、「風」を継承していく。