目の前にあった賜杯を、高安はまたもつかむことが出来なかった。

【千秋楽写真特集】若隆景が初V 高安との優勝決定戦制す 新関脇Vは双葉山以来86年ぶりの快挙

本割では、立ち合いでふわっと立ち上がってしまい、阿炎に一方的に攻められて完敗。それでも、優勝決定戦にもつれ込んでチャンス再来。立ち合いでは強烈な当たりで、若隆景を土俵際に追い込んだが、逆転の上手出し投げをくらって土俵下に転がった。13日目終了時点まで単独首位になるなどし、5度目の敢闘賞を受賞。優勝争いを何度も経験し、今場所こそはと意気込んだが、また届かなかった。「全てを出し尽くしました。負けたのでまだまだ稽古が足りないということ。この気持ちを忘れずにもう1回挑戦したいです」。反省の言葉を並べつつ、気持ちはすでに前を向いていた。