大相撲の横綱審議委員会(横審)が23日、東京・両国国技館で定例会合を開いた。

新委員となった元文部科学副大臣の池坊保子さんと俳優の紺野美沙子が初めて出席し、休場明けの夏場所で3場所ぶり7度目の優勝を果たした横綱照ノ富士(30=伊勢ケ浜)の活躍を絶賛した。池坊さんは「『相撲魂』みたいなものを大関も関脇も見習ってほしい」と評し、紺野委員は「体調が万全でない中、序盤戦はたしかにやや不安がありましたが、徐々に調子を上げた」とたたえた。

続けて池坊さんは「(照ノ富士は)ただ、ひたすら横綱はどうあるべきかという責務だけで、頑張っていたと思う」と持論を述べた上で、「今日の彼を育て、叱咤(しった)激励してきた伊勢ケ浜親方が偉かったというふうに思います」と話した。紺野委員は「優勝インタビューをうかがっても、心技体がますます充実してきている」と目を見張る活躍に好評を寄せた。

一方で精彩を欠いた3大関については、委員の中でも辛口な声が相次いだという。皆勤した大関3人全員負け越しは免れたが、勝ち越したのは8勝7敗の貴景勝(25=常盤山)のみ。池坊さんは「大関といえば横綱の予備軍。私たちの話題になってふさわしい方々なのに、正直あまりにもお粗末」と叱咤(しった)した。紺野委員は「本人が一番じくじたる思いではないか」と、おもんぱかった。

今後の相撲界ついて池坊さんは「スターがほしい」と期待。紺野委員は「大相撲がますます盛り上がるように力添えできたらなと思います」と意気込みを語った。