大相撲の二所ノ関部屋が5日、茨城・阿見町で部屋開きを行った。師匠の二所ノ関親方(元横綱稀勢の里)は「自分の『城』ができたという感じです。この地から強い力士を輩出し、将来的には横綱、大関を輩出するために一生懸命精進したいです」と力を込めた。

昨年8月に田子ノ浦部屋から独立して荒磯部屋を創設。同12月には所属する一門で伝統の名跡「二所ノ関」を襲名し、部屋名称も二所ノ関部屋に変わった。つくば市に部屋を設け筑波大の土俵で稽古を行ってきたが、夏場所後の今月から茨城・阿見町に設けた新たな部屋でスタートを切った。

建物の敷地は1800坪。両国国技館をイメージした黄緑色の屋根が出迎え、2面の土俵、トレーニング室、外にはバスケットボールのゴールも備える充実ぶり。二所ノ関親方は「天井も高く、入り口も広く、ドアも高い」と、力士が生活しやすい空間を完備したと胸を張る。最寄り駅から10分程度の所にあり、付近には大型スーパーが立ち並ぶ立地の良さも特徴。「非常に良い土地。運命的に出てきました」と喜びながら、詳しい総工費について尋ねられると「リンゴ何百万個ぐらいですか(笑)」とおどけて見せた。

同部屋の力士たちも、その環境の良さを絶賛。幕下の友風(27)は「記者さんたちより、住む僕たちがびっくりしていますよ」と驚きを交えて語り、「個室が多いんですよね。2人部屋の人が多いんですけど、そういう環境に横着しないのが二所ノ関部屋の力士たち」とより一層稽古に身が入った様子だった。冷房の利いた部屋で快適に過ごしていると喜ぶ花房(19)は「相撲に完全に集中できる環境なので、頑張りたいです」と意気込んだ。

今後の目標について、二所ノ関親方は「この地から力士を輩出するということがまず一つ、そして地元の方にも喜んでもらえるような場所にしていきたいです」と語った。「茨城の相撲どころ」へ、期待に満ちた船出となった。【平山連】