大相撲の幕内力士、志摩ノ海(32=木瀬)が19日、都内で故先代井筒親方(元関脇逆鉾)の長女で宝塚歌劇団元花組で娘役「天咲千華」として活動した清香夫人(34、旧姓福薗)と結婚式を挙げた。

式には出羽海一門の春日野親方(元関脇栃乃和歌)や新婦の叔父にあたる錣山親方(元関脇寺尾)ら親方衆、大関御嶽海(出羽海)小結豊昇龍(立浪)平幕で弟弟子の宇良(木瀬)ら関取衆ら、関係者約560人が参列した。

前日の18日、婚姻届を提出し、晴れて夫婦となった2人は「うれしさと緊張が入り交じっていたけど、いざ挙式してみると、清香さんがきれいというか…本当に見とれてしまいました」(志摩ノ海)「このようなご時世の中、今日をこうして無事に迎えられたことを、ただただ関わってくださった皆さんへの、感謝の気持ちでいっぱいでございます」(清香さん)と取材対応の第一声を口にした。婚姻届を提出した18日は、膵臓(すいぞう)がんを患うなどして19年9月に死去した、先代井筒親方の誕生日(1961年6月18日)。清香さんは「父の思いを受けて、私どもも良い姿が見せられるように。父も天国で見守ってくれているんじゃないかと思います」と実感を込めるように話した。

昨年10月に初めて出会い1年足らずでのゴールイン。当時の印象を「本当にすごく見とれてしまった」と語っていた志摩ノ海は、この日も「ちょっと恥ずかしいんですけど、普段から気遣い、優しさがありまして。とても美しい方なので全て大好きです」。さらに「2人で助け合いながら温かい家庭を作っていきたい。(子どもは)縁なんですけど1人もくしく2人は欲しいかなと思っています」と、自身の相撲さながらに押しの言葉を並べた。

その志摩ノ海の人間性について新婦は「どんな状況であっても明るく、真っすぐ前を向いてピンチの時もチャンスに変えるようなことを、常に考えていらっしゃるところ」と引かれた性格について述べ「1人の人として、とても尊敬しております」と新郎を立てた。

三重県志摩市出身の志摩ノ海にとって、7月の大相撲名古屋場所(7月10日初日、ドルフィンズアリーナ)は、準ご当所の場所。人生の節目の日ということもあり「責任というか緊張感というのは重みを増した。次は準ご当地の名古屋(場所)なので、先場所は成績が良くなかった(東前頭8枚目で7勝8敗)ですけど、名古屋場所はいい成績を残せるように稽古したい。責任は重大だと思う。いい成績を出して周りから認めてもらえるように頑張りたい」と決意を込めた。そんな関取を、清香さんは「厳しい戦いの世界の中で本当に一生懸命、頑張ってくださっているので家庭では一安心できるようにサポートしてまいりたいです。まだまだ未熟でございますので、支える妻として引き続き精進してまいりたいと思います」と支えていく気持ちを語った。