新十両昇進が決まった幕下の豪ノ山(24=武隈)の母校埼玉栄中学・高等学校が24日、同校で化粧まわしの贈呈式を行った。スクールカラーのオレンジカラーと校訓が入った化粧まわしを贈られ、豪ノ山は「気が引き締まる。着けて負け越したら意味がないので、しっかり勝ち越さないといけない」と、名古屋場所(7月10日初日、ドルフィンズアリーナ)への抱負を語った。

同校では卒業生が関取に上がると化粧まわしを贈ることが恒例となっており、今回で27本目。豪ノ山と師匠の武隈親方(元大関豪栄道)はともに同校OB。2人を育てた山田道紀監督は「自分の教え子の所にまた教え子が入って、関取になる。こんな幸せなことはないです」と感無量な様子だった。

学生時代の豪ノ山の印象について、山田監督は「中学の頃に良い押し相撲をしているなと思って誘うと、『行きたいです』と即決した。(教え子の中でも)3本の指に入るくらい穏やかな性格でしたが、迷うところがなかった」。高校1年の秋の国体に出た際に左前十字靱帯(じんたい)断裂という大けがを負ったが、地道なリハビリやトレーニングを怠らず翌年の国体で復帰。3年時には主将を務めた。

中大進学後も稽古に打ち込み、4年時に全国学生選手権で準優勝。三段目100枚目格付け出しの資格を得て境川部屋に入門し、初土俵となった昨年3月の春場所から順調に番付を上げた。今年1月の初場所では東幕下35枚目で7戦全勝優勝で一気に番付を幕下1ケタに乗せ、3月の春場所は4勝3敗。5月の夏場所も4勝3敗で新十両の座をつかんだ。

メキメキと実力をつける教え子に、山田監督は「一寸先は闇。常に緊張感を持って」とあえて厳しい助言を送る。自慢の押し相撲にさらに磨きをかけてほしいと期待した。名古屋場所で披露する日を心待ちにしながら、豪ノ山は「15日間まだ戦ったことはないので、まずは勝ち越し。一番、一番集中して、気迫のこもった相撲を見たせたい」と意気込んでいた。