日本相撲協会は27日、大相撲名古屋場所(7月10日初日、ドルフィンズアリーナ)の新番付を発表した。夏場所、12勝3敗で7度目の優勝を飾った横綱照ノ富士(30=伊勢ケ浜)が、東京都内の部屋からオンラインで会見に臨んだ。

番付発表を迎えた心境を「ま、場所が近づいたなという感じですね。いつもと変わらないです」と話し、連日の猛暑にも「特に変わったことはないですね」と淡々と話した。

名古屋場所に向けて、「名古屋(7月)場所での優勝はあるが、名古屋での優勝はないんで。支えてくれた後援者、ファンもいる。そこで優勝して、応援してよかったと思ってもらえるようにしたい」。優勝した2年前は新型コロナウイルスの影響で、東京・両国国技館開催となった。そして昨年は横綱白鵬との千秋楽相星決戦に敗れ、優勝を逃している。それだけに「昨年もできなかった。今年こその思いはあります」と意気込みを隠さない。

場所に向けての調整も順調という。出稽古解禁となったが、横綱は「オレ流」を貫く。「今までやってきたことで十分なんで。出稽古行きたいは、今はない。(部屋に幕内力士が5人)それもあるけど、それより筋トレから土俵の外の練習が自分は多い。土俵の真ん中に入ってやる番数は少ない。どこに行っても同じ。稽古相手が少ないというのは、言い訳にしか聞こえない」と言った。

ただ、否定的な見解ではなく、コロナ禍の前に少しずつ戻ってきている現状は歓迎する。「(相撲界全体には)いいことだと思う。稽古できる環境作ってくれているし、若い力士とかは番数を多くやって、体で感じることは多いと思う。環境が戻っているのはいいことだと思う」。

観客も戻ってきた大相撲界の頂点に君臨する者としてけん引する。「横綱としてこれからも頑張っていきたい」と力強く締めた。【実藤健一】