大相撲の宮城野部屋が22日、都内の部屋で、秋場所(9月11日初日、東京・両国国技館)の新弟子検査を受検する日大出身で学生横綱の川副圭太(23)の入門会見を開いた。

7月に部屋を継承して師匠となった宮城野親方(元横綱白鵬)にとって初の新弟子。幕下15枚目格付け出し資格を持つ川副に対して「『小さい白鵬』を見ている感じ。相撲もうまいし、体のバネも強い。相撲ファンに新しいスターを見せたい」と大きな期待を膨らませた。

熊本・宇土市出身の川副は、熊本・文徳高時代に国体優勝、日時大4年だった21年には学生横綱に輝くなどの逸材だ。身長165センチ、体重110キロと小兵ながら、前に出る圧力に加えて、柔軟な体を武器に多彩な技を繰り出す。宮城野親方は「体重と身長のハンディがある。それでも勝負して勝つ。見ていて楽しい。大相撲のファンを盛り上げるというか、目を覚まさせてくれるような相撲を取ってくれると思う」と話した。

新弟子検査に合格すれば、秋場所で幕下15枚目格でデビューすることになる。宮城野親方は、全勝優勝はもちろん「全勝同士で朝乃山とぶつかれば盛り上がるんじゃないかなと思います」とにやり。大関経験者で秋場所では幕下上位が予想される朝乃山との、全勝優勝をかけての一番を夢見た。

報道陣から「何年後に関取、三役に上がって欲しいか」と問われると「1年で三役にいけますから」と即答した。「9月で全勝優勝すれば関取。私自身、十両は2場所で通過しましたから。それで3場所でしょ。幕内2場所、大勝ちすれば三役見えますから」と最速プランを提示。これには、隣にいた川副も「そうですね…。やるしかないですね」と苦笑いを浮かべながらも、力強く意気込んだ。

しこ名は本名の「川副」でデビューさせる予定で、関取昇進時にあらためて改名させるという。出身のモンゴルに強い思いを抱く宮城野親方は「私はルーツを大事にしている。名前でも関われた方々に恩返ししないといけない。そういう思いでしこ名を考えていきたいですし、それを大事に活躍してもらいたい」と話した。そしてあらためて「師匠として早く関取に上げて大相撲のファンの皆さんに見てもらいたい。義務というか宿命を感じていますね」と責任感を口にした。