日本相撲協会は29日、秋場所(9月11日初日、東京・両国国技館)の新番付を発表し、平戸海(22=境川)の新入幕が決まった。入門から6年での幕内昇進について「ここまで早く上がってこれるとは正直思っていなかった」と少し驚きを交えながら振り返り、表情を緩ませた。約2週間後に控える今場所は西前頭16枚目として臨む。「(場所まで)1番1番集中して稽古場からとっていきたい。2桁勝利目指して頑張りたいです」と誓った。

長崎・平戸出身で、4人兄妹の長男として家族を支える思いは強い。故郷で息子を見守る両親からも連絡が来たことをうれしそうに話し「もっと頑張って平戸のことを知ってもらいたい。相撲をする人たちが増えるように、自分のようになりたいと思ってくれる人ができてくれたら」と目を輝かせていた。

師匠の境川親方(元小結両国)は「本人の稽古量や相撲にあがる姿勢とか見ていたら上がると思った。(十両で)大きなけがをしましたが、打ち勝つ精神力があった。相撲の神様がご褒美をくれた」と喜んだ。中学生の時に初めて出会った時からのことを思い返しながら「古風な子でいちずなところは変わっていない。力強くなってきた実感はありますね」とたたえた。愛弟子が届けた吉報に「うれしさと心配事もあります。番付は上がありますから、今まで以上に欲を持って取り組んでほしい」と呼びかけた。