大相撲の元横綱白鵬の宮城野親方(37)が5日、オンライン会見を開き「白鵬引退宮城野襲名披露大相撲」の開催を発表した。開催時期は来年初場所後の1月28日で、東京・両国国技館で開催。断髪式はもちろん、幕内、十両取組の他、「白鵬最後の土俵入り」が行われる予定となっている。

会見を開いた宮城野親方と報道陣の主な受け答えは以下の通り。

-今の心境は

宮城野親方 たくさんの人たちの応援があって20年間、力士として走り続けてきました。最後の土俵入り、大銀杏(おおいちょう)の姿をぜひとも見に来ていただけたらと思います。大銀杏とお別れするのは寂しいものがありますが、自分の中ではやりきった満足の20年でした。たまたま(引退相撲開催の)1月28日は母の誕生日。丈夫に生んでくれた母、両親に感謝しながら最後の土俵に上がりたいと思います。

-今までのマゲを切る立場から切られる立場になる

宮城野親方 後ろに(引退相撲の)ポスターがあります。一番多く賜杯を抱いた男として、賜杯と映っているポスターにしたいと思いました。お会いした1人1人に、はさみを入れていただく。応援していただいた方々のアイデアもあるので、これからポスターを変えて披露できればと思います。

-土俵入り以外のサプライズ演出などは

宮城野親方 これから1つ1つ紹介して(発表して)いこうと思います。

-マゲをつけていられるのも、あと半年ほど

宮城野親方 15歳から、ずっとこの形で、これが自分の姿。一人前の力士としての魂が、このマゲにあると思う。寂しいけど、この魂を弟子たちに受け継いでもらいたい。

-このポスターは何回目の優勝の賜杯か

宮城野親方 賜杯を抱いている写真も土俵上だったり支度部屋だったり、なかなか選ぶのに悩みましたが、これが一番、写真写りが良かったので。25回目の優勝の時のものです。

-引退相撲まで(初めて師匠として臨む秋場所を含め)3場所あるが

宮城野親方 強い関取を誕生させるのが私の仕事。今、幕下に3人いるので、この3場所で関取にさせて断髪式に臨みたい。それが一番の、何よりもの恩返しになると思います。

-当日しか販売しないグッズ以外に何かサプライズは 

宮城野親方 それは、まだ…、今はちょっと。(太刀持ちと露払いはサプライズで?)ということで(笑い)。

-引退から1年。どんな1年だったか

宮城野親方 親方として、いろいろな角度からいろいろなものを見てきて、あらためて見ることが出来た。警備をやりながら、記者クラブ担当として広報部に入って、言葉とかコミュニケーションとか勉強になりました。(引退して)体重が10キロ近く落ちたので、名古屋場所からトレーニングを始め、稽古の基本からやっています。(引退相撲に来た)ファンの方が(自分の)体を見て「まだ、やれるんじゃないか」と思われるような体で(引退相撲を)やりたいです。

 

◆引退相撲 力士が現役を退く際、引退を関係者に披露するために行う花相撲。まげを落とす断髪式をメインに、通常は引退および年寄襲名披露相撲となる。力士会の会員になって30場所以上務めた者は、国技館の土俵で開催できる。土俵を使えない場合は国技館内大広間やホテル、時には部屋での断髪式とパーティーが通例。必要経費を除いた収益は、引退した力士に入る。横綱の引退相撲の際には横綱土俵入りが行われる他、断髪式では300人以上がはさみを入れるなど、大々的に行われる。