大相撲の珍しい決まり手をまとめてみた。現在、決まり手は82手あり、「掛け反り」「撞木(しゅもく)反り」「外たすき反り」の3手は、十両以上の取組で1度も決まったことがない。

日本相撲協会は1955年に68手を発表し、1960年1月には河津掛けを切り返しから独立させ、出し投げの上手と下手を分けて70手とした。2001年初場所からは、決まり手12を追加。決まり手ではない「勇み足」「腰砕け」の勝負結果には「つき手」「つきひざ」「踏み出し」の3つを追加した。「掛け反り」「撞木反り」「外たすき反り」は、当初の68手に含まれていたため、この3手は67年間も生まれていない「幻の技」とも言える。

今回は、決まり手82手と勝負結果5つのうち、令和になってから1度も幕内取組で出ていない決まり手と勝負結果を一覧表にまとめた。

「たすき反り」「つかみ投げ」「大股」は、1950年代から1度も出ていない(たすき反りは2017年に宇良が十両で決めた)。「送り掛け」は長らく幻の技だったが、照強が2019年夏場所で千代丸に決めた。

この記事についている一覧表が手元にあれば、本場所で決まった直後、「いつどの場所の何日目の誰以来」なのかが瞬時に分かる。実は、これと似た資料をNHKのアナウンサーも準備している。ぜひ観戦のお供に利用していただきたい。【佐々木一郎】