安治川親方(元関脇安美錦)のおいに当たる桜庭(17=伊勢ケ浜)の前相撲デビュー戦は、根岸(17=武隈)に敗れ、ほろ苦いものとなった。

立ち合いで激しくぶつかったが相手の突きの勢いが勝り、そのまま土俵の中で倒れた。同部屋の部屋付き親方で自身の伯父に当たる安治川親方からは「負けてもいいから思い切りやれ」と助言を送られたが、白星で飾ることはできなかった。

桜庭は「思った以上に自分の立ち合いができなかった」。悔しい前相撲デビュー戦を終えたことに「少し緊張しました。率直に『これがプロか』という感じがします」と心境を語った。

この日の取組では左膝には大きなサポーターを巻いていた。敗れた後立ち上がる際には足を少し気にするような様子も見られ、対戦相手の根岸の手も借りながら体を起こした。1週間ほど前に稽古で相撲を取っている際に痛めたといい「膝に水がたまって、それでちょっと靱帯(じんたい)を損傷しちゃって力入らないかんじでした。そこからはずっと上半身の筋トレでした」。痛みを押して土俵に立った。

厳しい稽古量として知られる同部屋。序二段、三段目の力士と1日に30~40番相撲を取り、数多くのぶつかり稽古もこなす。

安治川親方からは「常に体を大きくするために飯をどんどん食べろ」とも言われ、毎食どんぶり飯3~5杯食べる。入門から既に7キロの増量に成功。「あと30キロは増やしたい」と大好きな刺し身をおかずに体作りに励む。

敗れはしたが、また次がある。敗戦を引きずらず「一番、一番大切に」を心掛けながら、憧れの伯父が現役時代に立った舞台を目指す。「ファンを魅了する相撲をとっていきたい」と今後の抱負を述べた。【平山連】