「1人大関」として場所を守り抜いた貴景勝が3度目の優勝を飾った。

埼玉栄高の後輩、琴勝峰と3敗で並んだ相星決戦。立ち合いで突き放してから、圧力をかけながら左を差し、すかさずのすくい投げで勝負を決めた。

小結霧馬山は竜電を寄り切り、11勝まで星を伸ばして来場所の新関脇を濃厚にした。7勝7敗で千秋楽を迎えた関脇豊昇龍は阿武咲との一番で相撲は完敗も物言い。「まげつかみ」の反則で白星を拾い、勝ち越しを決めた。


千秋楽の取組の模様を写真とコメントで振り返ります。 

大相撲初場所 全取組結果

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十両


北青鵬(9勝6敗)上手投げ朝乃山(14勝1敗)

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朝乃山(右)は北青鵬を上手投げで破る(撮影・足立雅史)
朝乃山(右)は北青鵬を上手投げで破る(撮影・足立雅史)
十両優勝し、表彰される朝乃山(撮影・狩俣裕三)
十両優勝し、表彰される朝乃山(撮影・狩俣裕三)
大相撲初場所 千秋楽 十両優勝の朝乃山(代表撮影)
大相撲初場所 千秋楽 十両優勝の朝乃山(代表撮影)

幕内


大奄美(5勝10敗)引き落とし千代丸(4勝11敗)

☆千代丸 今場所は精神的にきつい場所でした。来場所は自分の間で相撲をとれるようもっと稽古したいです。

大奄美(手前)を引き落としで破る千代丸(撮影・狩俣裕三)
大奄美(手前)を引き落としで破る千代丸(撮影・狩俣裕三)

(7勝8敗)寄り切り王鵬(4勝11敗)

★輝 最後までしっかり攻めきれなかった。もっと中に入って攻めたかったけど、それができていなかった。明日からまた考えてやっていくしかない。(15日間を振り返ると)いい内容も、悪い内容もあった。1番1番、分析して、また次の場所に生かせるようにやっていきます。

輝(右)を寄り切りで破る王鵬(撮影・足立雅史)
輝(右)を寄り切りで破る王鵬(撮影・足立雅史)

東龍(9勝6敗)押し出し宇良(7勝8敗)

☆宇良 よく頑張ったと思います。(取組は)何も狙ってないです。何も考えてないです。勝ち越したい気持ちで臨んだので負け越しは残念だが、自分の力は出し切った。それほど悲観する内容ではなかったと思う。

宇良(左)に押し出しで敗れる東龍(撮影・狩俣裕三)
宇良(左)に押し出しで敗れる東龍(撮影・狩俣裕三)

千代翔馬(5勝10敗)寄り切り佐田の海(6勝9敗)

☆佐田の海 最後に白星で飾れてよかった。体の調子はよかった。来場所は自分らしい相撲をとりたい。

佐田の海(左)は千代翔馬を寄り切りで破る(撮影・小沢裕)
佐田の海(左)は千代翔馬を寄り切りで破る(撮影・小沢裕)

錦富士(4勝11敗)はたき込み一山本(10勝5敗)

☆一山本 相手がしっかり見えていた。勝てたんでよかったかと思います。場所前はけがの影響であまり稽古できずどうなるかと思っていた。来場所はしっかり稽古して備えたい。(2桁勝利は)ここで10番勝てたのは来場所、しっかり稽古すればいいと考えている。

錦富士(手前)をはたき込みで破る一山本(撮影・狩俣裕三)
錦富士(手前)をはたき込みで破る一山本(撮影・狩俣裕三)

水戸龍(7勝8敗)はたき込み翠富士(6勝9敗)

★翠富士 後半は燃え尽きたじゃないですけど、ダメだったッスね。何があったとかじゃなく、力が入っていなかった。稽古が足りていなかったと思うので、また稽古を頑張って、来場所に臨みたいです。

水戸龍(右)ははたき込みで翠富士を破る(撮影・小沢裕)
水戸龍(右)ははたき込みで翠富士を破る(撮影・小沢裕)

阿炎(8勝7敗)突き出し剣翔(7勝8敗)

★剣翔 最後勝ちたかったけど、しょうがないです。引かないように考えていたが、悔いの残る一番になった。来場所も幕内で相撲がとれると思うので、悪いところを直して全力で挑みたい。

阿炎(右)は剣翔を突き出しで破る(撮影・足立雅史)
阿炎(右)は剣翔を突き出しで破る(撮影・足立雅史)

平戸海(8勝7敗)押し出し玉鷲(9勝6敗)
平戸海(右)を押し出しで破る玉鷲(撮影・狩俣裕三)
平戸海(右)を押し出しで破る玉鷲(撮影・狩俣裕三)

御嶽海(7勝8敗)押し出し宝富士(8勝7敗)

★宝富士 見られてとられたので、出られなかった。しょうがないですね。負け越すと十両に落ちてしまうので緊張したが、自分の相撲がとれたので来場所につなげたい。

御嶽海(右)は宝富士を押し出しで破る(撮影・足立雅史)
御嶽海(右)は宝富士を押し出しで破る(撮影・足立雅史)

碧山(8勝7敗)押し出し大栄翔(10勝5敗)

☆大栄翔 しっかり2桁(白星)で終われたことはよかった。内容もよく、相撲がとれたと思う。変わったことはしていないが、場所に入ってからの流れがよかったのかなと思う。来場所以降も変わらず自分の相撲がとれるよう稽古して臨みたいと思います。

☆碧山 無事に終わってよかった。ケガなく、勝ち越すこともできたし。勝てた相撲は前に出ていた。とにかく前に前に出るという気持ちだった。毎日はできなかったけど、結果につながった。(来場所は)今のままでやっていきたいです。

碧山(右)を押し出しで破る大栄翔(撮影・足立雅史)
碧山(右)を押し出しで破る大栄翔(撮影・足立雅史)

翔猿(8勝7敗)突き出し琴恵光(7勝8敗)

☆翔猿 何も考えずに思い切りいきました。(三役復帰の可能性も高まり)よかったです。自信になってます。(今場所は)集中して後半は一番一番できたので。どんどん自分の前に出る相撲を意識して勝ち越したのでよかったです。(埼玉栄高の後輩同士での優勝争いに)すごいなと思います。(終盤戦から)勝ちたいという気持ちではなく、自分の相撲を取るように変えました。前に出て、それで負けてもいいやという気持ちで、どんどん攻めて。それが白星につながったと思います。追い詰められてから。(7勝7敗で千秋楽だったが)何も考えずにやっていた。いつも通りに。

★琴恵光 自分の流れで相撲をとることができなかった。そこが勝敗の流れかなと思う。勝ち越しとか意識せず思い切りいこうと思った結果。悔しいけどしょうがないです。

翔猿(右)は琴恵光を突き出しで破る(撮影・足立雅史)
翔猿(右)は琴恵光を突き出しで破る(撮影・足立雅史)

遠藤(9勝6敗)寄り切り若元春(9勝6敗)

☆若元春 落ち着いて自分の相撲をしっかりとれたと思います。止まらず前に圧力をかけていこうと思った。(手応えは)分からないですね。1日、必死にとっているので分からない。小結も意識せず、関脇も特に意識はしていない。(地位が)どうであろうと自分の相撲をとっていきたい。

遠藤(右)を寄り切りで破る若元春(撮影・足立雅史)
遠藤(右)を寄り切りで破る若元春(撮影・足立雅史)

明生(5勝10敗)送り出し隆の勝(6勝9敗)
明生(右)は送り出しで隆の勝を破る(撮影・足立雅史)
明生(右)は送り出しで隆の勝を破る(撮影・足立雅史)

北勝富士(7勝8敗)寄り切り琴ノ若(8勝7敗)

☆琴ノ若 (勝ち越しに)うれしいです。いつも通りですけど、ここで勝ち越せたのは自信になったと思います。特にやることは変わらず、悪い相撲だけ見つめ直して徹底してやってきたのがよかった。

北勝富士(左)を寄り切りで破る琴ノ若(撮影・狩俣裕三)
北勝富士(左)を寄り切りで破る琴ノ若(撮影・狩俣裕三)

霧馬山(11勝4敗)寄り切り竜電(9勝6敗)

☆霧馬山 (11勝は)ビックリというよりも、場所前も場所中も、しっかりとやっていたので、その結果だと思います。今場所は攻める相撲がよかったと思います。15日間、1日一番。(次の場所へ)もっと稽古して、力をつけて、来場所、頑張りたいと思います。(大関への思いを問われ)頑張ります。(技能賞は)初めてだし、うれしいです。頑張るしかない。体の調子もよかったし、場所前の稽古も、場所中の稽古もよかった。

竜電(左)を寄り切りで破る霧馬山(撮影・狩俣裕三)
竜電(左)を寄り切りで破る霧馬山(撮影・狩俣裕三)

妙義龍(6勝9敗)寄り切り正代(6勝9敗)
妙義龍(右)は正代を寄り切りで破る(撮影・足立雅史)
妙義龍(右)は正代を寄り切りで破る(撮影・足立雅史)

阿武咲(10勝5敗)反則豊昇龍(8勝7敗)
豊昇龍(右)のまげをつかみ反則負けとなる阿武咲(撮影・狩俣裕三)
豊昇龍(右)のまげをつかみ反則負けとなる阿武咲(撮影・狩俣裕三)

若隆景(9勝6敗)はたき込み錦木(9勝6敗)
若隆景(左)は錦木をはたき込みで破る(撮影・足立雅史)
若隆景(左)は錦木をはたき込みで破る(撮影・足立雅史)

★錦木 勝ちたい気持ちもあったが、しゃあないです。勝負なんで。しっかり稽古して大阪場所でも勝ち越せるようにしたい。


琴勝峰(11勝4敗)すくい投げ貴景勝(12勝3敗)

貴景勝3度目V 相星決戦で琴勝峰退ける 1横綱1大関の異例の場所で意地 来場所は綱とり

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3度目V貴景勝「結婚してから初めての優勝なのでうれしい。義理の父を超えられた」

立ち会いで貴景勝(右)を果敢に攻める琴勝峰(撮影・狩俣裕三)
立ち会いで貴景勝(右)を果敢に攻める琴勝峰(撮影・狩俣裕三)
琴勝峰(右)をすくい投げで破り、優勝を決める貴景勝(撮影・狩俣裕三)
琴勝峰(右)をすくい投げで破り、優勝を決める貴景勝(撮影・狩俣裕三)
琴勝峰(後方)をすくい投げで破り優勝を決めた貴景勝(撮影・足立雅史)
琴勝峰(後方)をすくい投げで破り優勝を決めた貴景勝(撮影・足立雅史)
琴勝峰(右)をすくい投げで破り、優勝を決める貴景勝(撮影・狩俣裕三)
琴勝峰(右)をすくい投げで破り、優勝を決める貴景勝(撮影・狩俣裕三)
琴勝峰(左)をすくい投げで破り優勝を決めた貴景勝(撮影・足立雅史)
琴勝峰(左)をすくい投げで破り優勝を決めた貴景勝(撮影・足立雅史)
琴勝峰をすくい投げで破り優勝を決めた貴景勝は大量の懸賞を手にする(撮影・足立雅史)
琴勝峰をすくい投げで破り優勝を決めた貴景勝は大量の懸賞を手にする(撮影・足立雅史)
優勝し賜杯を手にする貴景勝(撮影・足立雅史)
優勝し賜杯を手にする貴景勝(撮影・足立雅史)
優勝インタビューに答える貴景勝(撮影・狩俣裕三)
優勝インタビューに答える貴景勝(撮影・狩俣裕三)

☆琴勝峰 いつもやってきた取組とは、雰囲気は違って感じました。(優勝への意識は)挑むだけだったので、気持ち的には楽だったと思います。取組は全然。実力不足だなと感じました。(11勝は)体がよく動いていて、肩の力も抜けていた。もっと地力をつけて、安定して、こういう相撲が取れるようにしていきたい。(千秋楽で結びで取ったのは)光栄だなと思います。(敢闘賞を受賞)うれしいです。立ち合いで肩の力が抜けて、体がよく動いていたのがよかったと思います。(理想は)差して、まわし取りたかったです。(相手が差してきたところ)立ち合い当たってから、勝手に動いていたので焦っていたのかなという感じです。覚えていないですけど。(この経験は)精神的な部分がデカいと思ったので、しっかり気持ちをつくって場所に臨めるようにしたい。もちろん地力も全然足りていないので、もっと鍛えて、もっと強くなりたい。(優勝を)最後まで争えたのは、いい経験だと思います。そこで最後に取るとなると、自分の実力ではまだ足りないかなと感じました。(貴景勝に)気持ちの強さを出された取組だと思ったので、もっと自分で強くしていかなくてはいけないなという意味では、ちょっと悔しいところもあった。今日の取組自体は本当に反省点しかない。優勝を意識するというよりは、1日1日の積み重ねの結果で優勝争いをしていたと思うので、そこは変わらず1日を大事にしてやっていきたい。