Netflixシリーズ「サンクチュアリ -聖域-」で、元十両飛翔富士の住洋樹さんが、無敵のモンスター静内を演じた。インタビュー後編では、静内のその後、作品の続編などについても語った。【取材・構成=佐々木一郎】

-元力士として、この作品の面白さ、良さはどういうところですか

第1話から、相撲部屋の裏側を見られるところです。男社会だけどおかみさんがいて、どういう生活しているか。自分が15歳で入門して、ああ、こういうこともあったなと、映像を見て懐かしい気持ちになりました。猿谷さんのシーンは、自分にあてはめて見た感じです。関取から幕下に落ちて、僕も膝が悪かったのでああいうことあった。幕下上位の時に支度部屋に行くと、関取ばかりいる。周囲は大銀杏を結っていて、「早く戻りたいな」と思ってしまう。僕に当てはめて見ると、感極まりました。

-角界からの視線は、気になりますか

めっちゃ気になります。僕がお相撲さんだったから。ある関取からは、「現役の時ときより強くない?」って連絡が来ました。「このあとが気になる」と言う人が多くて、あの後はどうなるのか聞かれますね。

-ほおのやけど、猿桜との決着など、気になる点もあります

よく言われるのは、龍谷部屋の龍貴はどうなったかということ。静内のきずはどうやってできたのかとか、なんでしゃべらないのかとか。静内は子どものころにお母さんを亡くしているのにどうやって相撲界に入ったのとか…。静内のスピンオフあればいいのにと思いますね。

-まだ作品を見ていない人へメッセージを

Netflixという大手配信サービスで、「サンクチュアリ -聖域-」はグローバルトップ10に入って、興味がなかった人も見てくれる。見て損は絶対しない。絶対見た方がいい。相撲のことだけじゃなくて、人間力を見ることができる。いろんなストーリーがあって、確実に感動すると思う。絶対見た方がいいと思います。

-今後の活動は

飲食店など事業もやっています。役者としては、今年9月にハリウッド映画に出ます。3月に全米公開されていて、9月に日本で公開予定の「ジョン・ウィック チャプター4」です。これからは、セリフをもらえるような、ひっぱりだこになる存在になれたらいいですね。なかなかこういう体が大きいキャストはいないので、使ってもらえるとうれしいです。

「サンクチュアリ -聖域-」出演の元飛翔富士インタビュー前編

◆住洋樹(すみ・ひろき)1989年(平成元年)7月14日、神戸市兵庫区生まれ。中村部屋に入門し、2005年春初土俵。しこ名は、07年名古屋場所で住から飛翔富士に改名。2011年秋場所で新十両昇進を果たした。17年初場所限りで引退。通算234勝197敗47休。引退後は飲食店経営のほか、18年4月に米プロレス団体WWEのリングに上がった。