[ 2014年6月9日9時45分 ]

 W杯ブラジル大会に向けベースキャンプ地イトゥ入りした日本代表が8日、近郊のソロカバで初練習を一般公開で行い、サンパウロの日本総領事館などを通じて応募した在留邦人や日系人ら約6000人のファンが集った。ミニゲームでゴールが決まるたびに歓声が上がり「ニッポン、ニッポン」という応援コールも起こった。

 主将の長谷部誠選手(ニュルンベルク)は「素晴らしい雰囲気だった。感謝したい」と地元の熱気を感じたようだった。

 歓迎ムードの一方、選手が到着する前の会場周辺では学生ら約20人が集まり「W杯よりも健康や交通、教育が重要じゃないのか」などと書かれた横断幕を掲げて抗議デモをした。警備や交通整理に約150人の警官が当たり、上空はヘリコプターが飛ぶなど緊張した空気も漂った。

 サンパウロ近郊で建設業を営む栗田義之さん(46)は「医療面で困ることもあり、サッカー好きの国民がW杯をいらないという気持ちも分かる。デモなどで観戦者にけががなければいい」と心配顔だった。