[ 2014年5月13日8時38分

 紙面から ]

 サッカーW杯ブラジル大会の日本代表メンバーが12日、発表された。史上最強と言われるメンバーは「優勝」を目標に据える頼もしい若侍。日本企業も彼らのような人材は、喉から手が出るほど欲しい。世間のビジネスマンはどのようなタイプを求めているのか-。日本代表の中で「今、会社に欲しい人材」を東京・銀座、新橋などで会社員に聞いた。

 W杯メンバーが出そろい、ビジネスマンたちの関心も一気に高まった。「ベスト8までは行って」「優勝は無理でしょ!?」など、サッカー談議もヒートアップ。一方で日本代表をタイプ分けし「自分の会社に欲しい人材」を聞くと、さまざまな意見が飛び交った。

 驚きの言動を繰り返す新入社員に対し「モンスター新人」との造語が生まれた昨今、企業は優秀な若手を求めている。

 引く手あまただったのが、泥くさいプレーでブンデスリーガ15得点を記録したFW岡崎だ。菅原円さん(30=印刷営業)は「姿勢を見習いたい。営業職は自分の限界を決めてはいけないから」。大手広告会社男性(33)も「小さな仕事でも泥くさく取りに行けば、大きな仕事にもつながる」。印刷業男性(28)は「思い切りがある。あのタイプが営業にいればかなりの戦力」と話した。

 お堅い職種に人気なのがGK川島、MF長谷部。川島を挙げた男性銀行員(47)は「(7カ国語を勉強し)語学が堪能。海外でも活躍できる」。男性銀行員(56)は長谷部を指名し「チームをまとめる力がある。『デン』と座っているだけの支店長ではなく、バリバリやってくれるはず」と期待。岩下未来さん(31=石油会社総務)は「誠実でコメントもうまい。人の心をつかみそう」と長谷部にぞっこんだった。

 イケメンDF内田を推す声も聞かれた。医療事務女性(27)は「目の保養になる」。八木隼人さん(27=ヒンディー語教室勤務)は「女性の生徒が増えそう」。DF長友、MF遠藤を挙げた人の理由には共通点があった。アミューズメント業男性(27)は「たたき上げの長友は各社員の立場を理解してあげられそう」。警備会社男性(28)は「遠藤は縁の下の力持ち。多くの社員を持ち上げてくれそう」。

 意外に指名が少なかったのが日本のエース、FW本田。「本田のようなゴリゴリタイプは既にいる」(印刷業28歳男性)「新人で来たら大変」(前出菅原さん)との声が上がった。一方で田中龍之さん(27=大手IT企業)は「今、若い人がガツガツしていない。私も最近、上司や社長と戦うよう意識するようになった」と、やはりエースの立ち居振る舞いに憧れを持つ人もいた。【三須一紀】