[ 2014年6月13日7時11分

 紙面から ]手を使ったミニゲームでジャンプしながら柔らかいパスを出す香川(後方右)

 W杯ブラジル大会が12日(日本時間13日)に開幕。日本は14日(同15日)の1次リーグ初戦で、アフリカの強豪コートジボワールと対戦する。

 勝ち上がるイメージは、できあがった。FW香川真司(25=マンチェスターU)が頂点に立った。ボールをはじき、1バウンドで敵陣へ射抜く。見守ったGK西川は「真司があんなにうまいとは思わなかった」。卓越した技術と勝ちきる精神力を、香川が本領発揮したのはサッカーではなく、実は卓球。オフとなった10日の夕食後、メンバー全員参加の卓球大会が行われ、見事に優勝を果たした。

 決勝カードはC大阪時代の先輩・FW大久保だった。コートをはさんで向かい合う2人。サッカーでは約4年ぶりの競演で「キレとスピードはさすが」と認める大先輩を前にしても臆することなく、先輩後輩対決を制した。前回大会でも選手の間で好評だった卓球だが、イトゥの施設内にも2台完備。西川によると本田発案のトーナメント方式で開催された。バックアップメンバーの高校生2人を含めた25人で盛り上がり、団結ムードをつくった。

 優勝した勢いか、オフのおかげか、11日の練習で香川は軽快に動いた。ウオーミングアップで行われた10対10のハンドゲームでは左サイドに入り、トップ下には決勝の相手・大久保とたくみにパス交換。コートジボワール戦に向けて、心身ともに充実させた状態で調整している。練習前にはミーティングで相手の攻撃を見て、守備を確認した。しかし勝つためにはゴールが必要。「勝ち癖」をつけた香川が、無敗ロードを築いていく。【栗田成芳】