[ 2014年6月25日6時54分

 紙面から ]前日練習でウオーミングアップをする選手をじっと見つめるザッケローニ監督(中央)

 サッカーの新生日本代表が、9日間の国内合宿で船出することが24日、明らかになった。新体制発足後、9月1日に始動。「キリンチャレンジカップ2014」の2試合(同5日・札幌ド、同9日・横浜国際)を含め、いきなり9日間の合宿を行うのは異例だ。これまで、始動時は5~6日の活動期間であることが多く、新監督には18年W杯ロシア大会を目指す選手たちをじっくり「観察」する時間が与えられる。

 新生日本代表が、異例の9日間の合宿で始動する。9月1日に集合。9日の試合後に解散する。日本協会関係者は「9日間、しっかり新監督にチームや選手を見てもらうことができる。最初なんで時間が取れてよかった」と明らかにした。

 ザッケローニ監督の就任決定がずれ込み、日本協会の原博実専務理事(当時強化担当技術委員長)が指揮を執った現体制の始動は、10年9月2日から7日の6日間だった。同関係者は「Jリーグ側の協力のおかげもあり、今回は長めにできる」と話した。

 新体制の初戦は、新監督に選手選考の時間がないことも多く、直前のW杯のメンバーが中心の構成になる。ただ、始動から、2連覇がかかる15年1月9日に開幕するアジア杯オーストラリア大会までの準備期間は、わずか約4カ月。その間の活動期間は1日でも多い方が好ましい。

 ザッケローニ監督は事あるごとに「代表は選手を集め、手元に置いて見られる時間が少ない」と話していた。国際Aマッチのフレンドリーマッチデー(試合の2日前からしか選手を招集できない)においても、自身の戦術を細かく確認する作業に追われていた。

 国際サッカー連盟(FIFA)が定めたW杯ロシア大会に向けた15~17年の国際Aマッチデーの日程を見ると、この4年間に比べて、国際Aマッチの数が1年平均で2~4試合減少している。試合の数が減り、その多くがW杯アジア予選に費やされることで、欧州や南米の強豪との親善試合を組む回数も減ることが見込まれる。だからこそ、招集できる時に1日でも多く練習を行える環境整備は必要不可欠だった。

 ザッケローニ監督はW杯ブラジル大会後に退任する。日本協会の強化トップを兼務する原専務理事は23日のコロンビア戦の前日会見直後に「今後のことは考えていない。W杯が終わってから決める」と話しており、新監督選考はW杯終了後から一気に加速していく模様だ。だが、まずは手始めに新生日本代表の船出を完全にバックアップできる日程面の態勢は整えられている。<過去のW杯後の日本代表初合宿>

 ▼トルシエ監督

 98年10月4~8日の5日間。福島・Jヴィレッジに4日集合し、5日の早朝7時25分から練習をスタートした。

 ▼ジーコ監督

 02年10月14~16日の3日間。最終日のジャマイカ戦に備え、初日から国立競技場で30分ハーフの紅白戦を実施。中田、中村、稲本、小野の「黄金の中盤」をテストした。

 ▼オシム監督

 06年8月6~9日の4日間。最終日のトリニダード・トバゴ戦に向け、千葉県内で始動。わずか13人の招集で、合宿初日から大学生と練習試合を敢行。多色ビブスを用いた独自の練習も披露した。

 ▼ザッケローニ監督

 10年9月2~7日の6日間。4日のパラグアイ戦(横浜国際)7日のグアテマラ戦(長居)に備え、横浜市内で始動。就労ビザが間に合わず、練習の指導はしなかった。日本協会の原技術委員長が監督代行として指揮。