[ 2014年7月8日8時4分

 紙面から ]ドイツサッカー協会が「勝利の女神」と公認するアンゲラ・メルケル独首相

 ドイツは決勝に「女神」を迎える。ブラジルとの準決勝を突破すれば、アンゲラ・メルケル首相(59)が現地観戦する計画がある。今大会は1次リーグ初戦のポルトガル戦を生観戦し、4-0で圧勝。その試合後にロッカールームを訪れ、記念撮影したMFポドルスキによると「今度は決勝に来るわよ」と約束したという。決勝に勝ち進んで2度目の“降臨”となれば、90年大会以来24年ぶり4度目の頂点へ、期待は膨らむ。

 政界屈指のサッカー通として知られ、首相就任の翌06年から観戦を始めた。自国開催だった同年のW杯で全7試合を生観戦して以降、見守った試合は10勝1敗。最近3試合はいずれも4点を奪い、ガッツポーズする姿が映し出された。同国サッカー協会も「運をもたらす存在」と公認する勝利の女神だ。

 その影響力は単なる応援にとどまらない。08年の欧州選手権オーストリア戦では、前の試合で退場して出場停止になったMFシュバインシュタイガーを隣に座らせ「またバカなまね(退場)はしないように」と一喝。さらに次のポルトガル戦へ「2年前と同じようにプレーすべき」とアドバイスした。「2年前」とはW杯の3位決定戦ポルトガル戦。そこで2得点していたシュバインシュタイガーは「首相に言われたら聞くしかないだろう?」と従い、今度は1得点2アシストの活躍で再び勝利に導いた。

 今大会の初戦以降は、サポーターがメルケル首相のお面を着けて応援している。本人は8日まで中国を公式訪問中。準決勝の結果を受け、決勝行きを正式に検討する。初戦の渡航費に30万ユーロ(約4200万円)以上かけたとの批判も、優勝のためなら、どこ吹く風だ。<勝利の女神メモ>

 ▼たこのパウル君

 08年1月に英南部ウェーマス沖の大西洋で生まれたマダコ。生後、3カ月でドイツの水族館へ。08年6月のサッカー欧州選手権で「占い師」デビュー。10年W杯でドイツの7試合と決勝戦の結果をすべて的中させた。

 ▼楓(かえで)ちゃん

 なでしこジャパンを応援する、高橋陽一氏が手がけた小説「サッカー少女

 楓」のキャラクター。11年女子W杯の決勝前日、楓ちゃんと漫画「キャプテン翼」の翼くんのイラストが描かれた日の丸を、高橋氏がなでしこジャパンにプレゼント。見事優勝した。

 ▼サラ・カルボネロ

 スペインGKカシリャスの恋人。スペインのテレビ局でリポーターを務める。スペインが優勝した10年W杯でも試合後のインタビューでリポートを担当し、カシリャスと熱いキスを交わすハプニングも。