AKB48を卒業する川栄李奈(20)が、舞台「AZUMI幕末編」(9月11~24日、東京・新国立劇場中劇場)に主演することが2日、分かった。「AKB48真夏の単独コンサート」で発表。明日4日のAKB48劇場(東京・秋葉原)公演でグループを卒業する。

 アンコールに登場した川栄が、手紙を取り出した。「ダンスも歌も苦手で1人踊れずに真ん中で突っ立ってて、出来ないからとすぐに投げ出してました。そんな私にも声をかけてくれるファンの方がいて…。去年の総選挙では16位という素敵な順位をくれました」。

 中盤は「RINA KAWAEI SHOW TIME」と題し、6曲を連続で歌った。後半では所属してきた歴代3チームを復活させた。観客約1万8000人からは「サンキュー」の人文字を贈られた。フィナーレには、オチも用意されていた。泣いて手紙を読んだのに、高橋に「らしくないやろ! アレを歌いなよ」と、フジテレビ系バラエティー番組「めちゃ×2イケてるッ!」で作られたお笑い曲「ハステとワステ」を押しつけられた。「え~っ、じゃあ~いっちゃいますか!」と涙をぬぐって笑った。

 襲撃事件以降、精神的な後遺症で握手会参加が不可能になり、卒業の一因になった。それほどに傷ついた川栄が、女優という新たな夢を見つけた。前田敦子や大島優子のような長年の功労者でないが、その思いを受け、AKB48が最大級の卒業セレモニーを用意した。「自分が中心のコンサートは人生で1回だけだと思うので、一生の思い出になりました。AKBに入って本当に良かったです」。

 最後は笑顔で「バイバーイ」と手を振り、ステージを後にした。明日4日、AKB48劇場で本当のラストを飾る。【瀬津真也】