「第66回NHK紅白歌合戦」が12月31日、東京・渋谷のNHKホールで行われた。AKB48のステージでは4月にグループを卒業する高橋みなみ(24)の激励にOGの前田敦子(24)大島優子(27)がサプライズで登場した。紅組司会の綾瀬はるか(30)もほぼ完璧な司会ぶりで、紅組勝利が決まると感動の涙を流した。トリの近藤真彦(51)大トリの松田聖子(53)が華やかにステージを締めくくった。通算成績は紅組の30勝36敗となった。

 AKB48がサプライズでグループ最大の功労者を送り出した。結成10周年のヒットメドレー。2曲目「フライングゲット」が流れるとステージ後方の扉から、前田が飛び出してきた。高橋は観客の大歓声を聞いて振り向くと、してやったり顔の前田と目が合った。口を手で押さえて驚き「聞いてないよ~」と言って瞳を潤ませた。1期生の親友と真ん中に並んで歌った。

 サプライズはまだ続く。3曲目「ヘビーローテーション」になると、今度はステージ前方の客席に、大島が立っていた。「ワン! ツー! スリー! フォー!!」と、元気いっぱいの掛け声が響くと、我慢ができず泣き崩れた。大島に抱きつかれ、前田も交えて3人で肩を組む。くしゃくしゃの泣き顔で「恋するフォーチュンクッキー」も歌いきった。

 サプライズは、NHKからの提案もあり、2週間前から極秘で準備を進めていた。29、30日のリハーサルは横山由依(23)渡辺麻友(21)が両曲のセンターポジションを務めたが、前田と大島は個別の極秘リハーサルをしていた。司会の井ノ原も「僕らもバタバタしました」と驚く“同窓会”。前田は「サプライズをやらせてもらってうれしかった。楽しかった」。2年前の紅白で卒業をサプライズで発表した大島も「たかみなが最後だから出させてもらって、彼女が喜んでくれたから本当にうれしかった」と興奮していた。

 旧友とのまさかの共演で、AKB48として最後の音楽番組出演を締めくくった。高橋は「10周年メドレーで2人にも来ていただいてみんなで迎えられて幸せ。紅白ってこういうのもあるんだって思いました」と感激に浸った。【瀬津真也】