NMB48とAKB48を兼任する渡辺美優紀(22)が13日、大阪・NMB48劇場のチームB2公演で、グループからの卒業を発表した。

 チームNのキャプテン山本彩(22)も駆けつけ、14枚目シングル「甘噛み姫」を劇場で初披露した直後だった。渡辺が「今日はこれだけじゃないんです」と卒業を切り出した。

 「入ったときより、大決断でした」。

 卒業は「昨年12月ごろから決めていて、モヤモヤしていたけど、今日言えてすっきりしました」と話した。

 渡辺は先月下旬からツイッターなどに卒業をにおわせるコメントを書き込むなどしてきた。山本とともにNMB48創設時からグループを引っ張ってきたエースの1人だけに、運営側と卒業について慎重に協議を重ねてきた。

 芸能活動は継続する意向だが、卒業公演など詳細は未定だ。

 渡辺は今年の選抜総選挙とAKB48の44枚目シングルが発表された3月21日にツイッターで「総選挙シングルということで、私は今年総選挙出ないので辞退させていただきました」とつぶやき、早々に不出馬の意思を表明した。

 さらに同24日午後にはトークアプリ「755」の中で、NMB48の14枚目シングル発売に触れ、ファンから「申し込みたい」との書き込みに対し「申し込まないでください」「そこまでここにはいないと思うので」と返し、卒業とその発表が近いことをにおわせていた。

 渡辺は10年10月のNMB48創設メンバーで、11年5月には山本ともにAKB48シングル「Everday’カチューシャ」に選抜された。NMB48のデビューシングル「全滅黒髪少女」ではセンターを務め、山本と“ダブルエース”として引っ張ってきた。

 12年3月にAKB48兼任となった。14年2月にはAKB48兼任を解除されSKE48と兼任となったが、昨年3月には再びAKB48との兼任がスタート。AKB48グループ選抜総選挙は12年に19位で初ランクインし、13年は15位で初の選抜入り。14年は18位に後退したものの、昨年は12位で選抜返り咲きを果たした。

 握手会でのファンとの交流、取材や番組収録、グラビア撮影の現場でも常に全力で相手に接し「日本一のアイドルに」と目標を公言。「天性の釣り師」と称されてきた。小悪魔風なキャラクターから愛称の「みるきー」をもじって「わるきー」とも呼ばれ、その個性はソロ楽曲にもなった。

 一方で、髪形や衣装の細部にもこだわり「自分が納得しないと動かない」タイプと頑固さを自認してきた。最近はそのこだわりに「自由な遊び心」が加わり、自由度は日ごとにアップ。パフォーマンスも柔らかくなり、昨年後半からファンの間でも、その「変化」が話題になっていた。